研究課題/領域番号 |
20K05184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
田村 洋介 千葉工業大学, 工学部, 教授 (40316807)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 電磁分離 / アルミニウム合金 / 過共晶 / リサイクル / 省エネルギー / 材料創製 / 初晶 / 偏析 / スズ合金 / 対流 / 直接観察 / 凝固組織 / 電磁力 / 核生成 |
研究開始時の研究の概要 |
二酸化炭素排出量削減の観点から,自動車等へのアルミニウム合金の使用量は,近年増加傾向にある.同時に回収されるスクラップ量も増え,その種類も多様化している.そのためアルミニウム合金溶湯(以下,溶湯と記す)の品質向上は,益々重要な課題となっている. 研究代表者は,直流電流と静磁場を同時印加した状態で溶湯を凝固させると,溶湯中の固体粒子が鋳塊表層に分離する現象を発見した.本研究では,「電磁力印加条件」および「凝固条件」等をパラメーターとした実験を計画し,当該現象の発現条件を明らかにすることでその理解を深め,アルミニウム合金の革新的な精製技術および高機能化技術へと発展させるための知見を得る.
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研究成果の概要 |
電磁力を印加しながら凝固したAl-10Fe合金およびAl-25Si合金における初晶の電磁分離現象を調べた。各合金とも所定の条件下において,初晶は電磁力により試料表層部全域に偏析した。しかし電磁力は,溶湯中に晶出している初晶に作用しないことが明らかとなった。初晶が試料表層部に偏析すると,それを含まない試料中央部は過冷凝固組織の様相を呈し,樹枝状の初晶Alを含む微細共晶組織となった。Al-Si合金では,溶湯に電流を流すだけで以上と同様の効果が得られた。新奇な電磁分離現象は,電気・磁気的な作用が結晶の核生成および成長に影響を及ぼすために生じたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電磁分離現象に係る当該分野においては,様々な近似・仮定に基づいたコンピュータシミュレーションが進んでいる。一方,その成果を技術として活用するには,実験事実に基づいた知見の蓄積が不可欠である。この点において,実験に基づく当該研究成果は貴重と言える。また従来報告されていない現象も発見されており,新たな学術分野の構築に繋がる可能性もある。新奇な電磁分離現象に関する理解を深めることは,リサイクルの効率化や新しい材料創製プロセスを開発することと同義である。以上より,本研究成果は学術的・社会的に有意義と言える。
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