研究課題/領域番号 |
20K05191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
向井 康人 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30303663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | O/Wエマルション / ナノファイバー膜 / 油水分離 / 合一分離 / 電界紡糸 / 階層構造 / エマルション / コアレッサー / 微小油滴 / 表面修飾 / 界面活性剤 / ポリアクリロニトリル / ポリプロピレン / ナノファイバー |
研究開始時の研究の概要 |
超親油性ナノファイバー膜を新規油滴合一材として用い、従来の油滴合一器では合一分離不可能なマイクロエマルションの処理プロセスの実現を目指す。そのために、超親油性ナノファイバー膜の製造法を確立し、ナノファイバー膜によるマイクロ油滴の基礎的な合一分離特性を明らかにする。また、連続式のナノファイバー油滴合一器を導入し、ナノファイバー膜の特性がマイクロ油滴の合一分離特性に及ぼす影響を詳細に明らかにする。これら一連の実験データを集約・総括し、高効率かつ高精度の分離性能を両立する最適な油滴合一条件を究明する。
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研究成果の概要 |
マイクロサイズの油滴は高精度かつ効率的に分離することが困難である。合一分離は、水から油を分離するために適用される物理的方法であり、油のリサイクルにも有効である。本研究では、ポリアクリロニトリル(PAN)ナノファイバー基材層上に、極めて微細なナノファイバーからなるスキン層を積層させることにより、階層構造を有するナノファイバー膜を作製した。スキン層は表面粗さを向上させ、階層的な微細孔チャネルを構築し、油滴合一のための衝突サイトを増加させた。その結果、階層構造PANナノファイバー膜は、界面活性剤安定化エマルションに対して、99.4 %以上の分離率と7,060 L/(m2・h)の透過流束を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノファイバー膜を水処理に応用する研究が国内外で盛んに行われているが、本研究のようにナノファイバー膜をコアレッサー材として応用し、出口側で油相と水相の二相分離を行うというアプローチの研究は皆無であり、関連する産業や学術分野に多大なインパクトを与えた。 本研究は機能性ナノファイバーの開発とそれを利用したプロセス開発、さらには界面化学に立脚したアプローチで構成されているため、繊維工学・化学工学・界面化学の有意義な融合によって研究が完遂された。本研究を通して繊維工学・化学工学・界面化学の境界領域が拡張し、新たな学際領域が展開される契機にもなったため、学際的にも重要な役割を果たしたと評価している。
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