研究課題/領域番号 |
20K05207
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
嶋田 五百里 信州大学, 学術研究院繊維学系, 講師 (40708187)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 石油精製 / 接触分解 / 機械学習 / 特徴量エンジニアリング / 残油流動接触分解 / 流動接触分解 / 水素移行反応 / 反応予測 |
研究開始時の研究の概要 |
石油資源の有効活用に向けて、重質油中の多環芳香族を分解し付加価値の高い単環芳香族に転換することを目指す。これまでの研究から、重質油中に含まれる他成分との相互作用により多環芳香族の分解が進行することが示唆されている。本研究では、複雑な組成を持つ重質油の接触分解反応において多環芳香族の分解活性を決定する因子を抽出するとともに、それらの因子から生成物収率を予測するモデルを構築することを目指す。これにより、原料組成に基づいた反応条件の最適化が可能となることが期待できる。モデル作成にあたっては、機械学習的手法の利用を検討する。
|
研究成果の概要 |
残油流動接触分解(RFCC)プロセスにおいて、多環芳香族炭化水素は共存成分との相互作用によって分解し、高付加価値な単環芳香族炭化水素に転換される。しかし、RFCCプロセスの原料組成は極めて複雑であり、個別の成分の反応性を考慮した反応モデルの構築は困難であった。そこで本研究では、原料組成と反応条件から生成物組成を予測する機械学習モデルを構築するため、線形回帰と物理化学に基づく特徴量エンジニアリングを組み合わせることを検討した。これにより、ブラックボックスな非線形回帰モデルよりも高い予測精度を達成するとともに、構築したモデルを解析することで重要な反応因子を抽出できる可能性を示すことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、複雑な成分組成を持つ原料の触媒反応を対象として、原料組成と反応条件から生成物組成を予測する機械学習モデルを構築した。さらに、構築したモデルの解析から重要な反応因子を抽出できる可能性を示した。これらの成果は重質油の接触分解反応に限らず、例えばバイオマス資源や廃プラスチック油などの極めて複雑な組成を持つ原料の反応予測にも適用することができる。重要な反応因子を抽出することで、反応条件の最適化や優れた触媒設計につながる知見を得ることができ、低炭素社会や循環型社会の構築に貢献する優れたプロセスの開発につながることが期待できる。
|