研究課題/領域番号 |
20K05217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高 敏 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 准教授 (40784202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 理論計算 / 金属ナノ粒子 / 網羅探索 / 触媒活性 / 構造依存性 / 構造活性相関 / 金属クラスター / 遷移状態 |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノ粒子触媒は各種の化学工業において極めて重要な役割を担っている。近年、量子化学に基づいて得られた反応機構によって、触媒活性の評価が可能になっており、新規触媒の理論設計に対する試みもある。実在系に用いられる金属ナノ粒子粒径(数nm)に対して、量子化学で反応機構を詳細に検討できる系のサイズは、実験系に用いられる金属ナノ粒子にかけ離れた十数原子小規模金属クラスター(~ 1.0 nm)であり、実際に起こる現象と乖離がする恐れがある。本研究では、小規模金属ナノ粒子の触媒活性の本質を量子化学計算を用いて明らかにし、実在する金属ナノ粒子(実在系)の触媒活性を予測する方法を開発する。
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研究成果の概要 |
不均一触媒の原子レベルでの構造は実験的には制御が容易ではないため、計算においては多様な分子構造の考慮が必要不可欠である。また、触媒能を発現する活性サイトは実験的にも理論的にも予測が難しく、触媒機構の解析研究では、高い対称性を課す計算や最安定構造を用いた限定的な計算が行われる。本研究では、触媒構造とその活性サイトに関する系統的な構造計算に基づき不均一触媒の活性能の理論解析を行い、多様な構造が触媒活性に与える影響を理解することで、触媒における構造―触媒活性相関に関する研究に取り組んだ。また、複数の実験グループとの共同研究を通じ、系統的な構造計算に基づく触媒反応機構解析の重要性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属ナノ粒子触媒は各種の化学工業において極めて重要な役割を担っている。燃料電池用触媒、排気ガス触媒、光触媒による水素生産など、その活用が期待される分野は多岐にわたる。近年、量子化学計算を用いた触媒の量子化学計算が可能になってきており、実験で観察できない分子の構造や反応中間体、反応生成物のエネルギー、反応速度など、化学反応に関する重要な情報を提供することができる。本研究における、多様な構造が触媒活性に与える影響の理解とそれに基づく触媒能の解析を通じて得られた「構造―触媒活性相関に関する知見」は、将来的に、原子レベルでの機構理解に立脚した新規触媒開発において役立つことが期待される。
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