研究課題/領域番号 |
20K05236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森 英樹 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30450894)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コラーゲンゲル / 血管内皮細胞 / 神経幹細胞 / 粘弾性 / ハイドロゲル / スフェロイド / 血管形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は神経幹細胞によって形成されるニューロスフェアや多能性幹細胞から誘導された脳オルガノイド内に血管網を構築する方法の糸口を見つけるために、脳スフェロイド(ニューロスフェア、脳オルガノイド)と血管形成細胞の共培養・浸潤評価系を作製し、血管形成細胞の浸潤および血管網構造形成条件を探ることを目的としている。脳スフェロイドを接着させた柔らかい高分子ハイドロゲルと、血管形成細胞が接着できるコラーゲンゲルを組み合わせた新規共培養法(オンゲル共培養法)で培養した細胞を経時的に撮影、挙動解析によって、血管形成細胞がスフェロイド内に浸潤或いは網目状に展開できる条件の取得を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、脳オルガノイド内に血管網を構築する方法の糸口を見つけるために、ハイドロゲル上で脳スフェロイド(ニューロスフェア、脳オルガノイド)と血管形成細胞の共培養・浸潤アッセイ系を作製し、脳スフェロイドへの血管形成細胞の浸潤および血管網構造形成条件を探索することを目的としている。 3年目は足場材料となるコラーゲンゲルへのUV照射の有無によって血管内皮細胞の形態が異なるという昨年度見つけた現象について、更に脳スフェロイドへの血管内皮細胞の浸潤を調べるための培養系として、ニューロスフェアや脳オルガノイドのゲルへの接着固定条件と共培養条件について検討した。培養細胞の経時的な顕微鏡観察や遺伝子発現解析によって、血管内皮細胞におけるタイトジャンクション形成や線状の血管内皮細胞の接着にはUV照射を施さないコラーゲンゲルの方が良い結果を得たが、脳オルガノイドとの共培養に適した足場条件を得るには、オルガノイドと血管内皮細胞を組み合わせた実験系による更なる検討が必要である。ランカスターらの方法でヒトiPS細胞から誘導した脳オルガノイドはコラーゲンゲルに接着したが、その後の培養経過に伴い細胞がゲル上を移動し、元々のオルガノイド内部の構造が変化してしまった。 培養によって誘導する細胞塊内部の脳オルガノイドの状態は非常にヘテロで、解析するためには多くの脳オルガノイドを使って条件を検討しなければならない。脳オルガノイドの調製に時間を要し、十分な共培養血管浸潤条件の検討ができていないので、次年度に延長し更なる検討を行う予定である。コラーゲンゲル上における血管内皮細胞の浸潤や形態変化の解析結果に関しては一部を学会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染などの影響で予定変更が必要となり、長時間を要する脳オルガノイドの作製などの実験準備に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更はない。血管形成細胞と脳オルガノイドとの共培養条件を検討するとともに、脳毛細血管内皮細胞の形態だけでなくスフェロイド内の細胞の移動も考慮し、血管形成細胞が脳スフェロイドに浸潤できる足場条件を検討していく。
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