研究課題/領域番号 |
20K05242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
柚山 健一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 講師 (20786355)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ペロブスカイト / 光圧 / 光ピンセット / ハロゲン交換反応 / 顕微分光 / ヘテロバンド構造 / ハロゲン交換 |
研究開始時の研究の概要 |
ハロゲン化金属ペロブスカイトでは、バンドギャップを空間変調するために、溶液中でハロゲン交換反応を位置選択的に誘起する手法が研究されている。これまで、リソグラフィーで作製した高分子マスクを用い、反応を任意の領域で物理的に阻害する手法が報告されている。本研究では、ハロゲン交換反応を阻害する従来法とは逆に、交換反応を局所的に促進する手法を開発する。光圧によりハロゲンイオンの局所濃度上昇を誘起し、交換反応を時空間的に制御する。バンドギャップが不連続・連続的に変化する様々なヘテロバンド構造・傾斜バンド構造を作製する。
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研究成果の概要 |
光圧による局所濃度上昇を利用し、ペロブスカイト単一結晶のハロゲン交換反応を位置選択的に誘起した。ヨウ化物イオンを含む前駆体溶液中でCH3NH3PbBr3結晶表面にレーザーを照射すると、照射位置でのみCH3NH3Pb(BrI)3が形成し、ヘテロバンド構造の作製に成功した。レーザーを走査することにより、臭素・ヨウ素イオンの組成比が異なる傾斜バンド構造の作製を行ったが、結晶の安定性に課題が残った。ペロブスカイト前駆体の光捕捉のメカニズム解明のために、モデル化合物としてイオン液体の光捕捉を行った。ナノクラスター形成がイオン化合物の局所濃度上昇に重要な役割を果たしていることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
次世代半導体材料であるハロゲン化金属ペロブスカイトは、様々な光・電子デバイスへの応用が期待されている。空間的に変調されたバンドギャップ構造をもつペロブスカイトの単一結晶は、電子とホールを狭バンドギャップ領域に集めることができる。そのため、特定の位置で電流や発光を取り出すことができる高効率な光電変換・発光デバイスの開発につながる。また、光圧によるペロブスカイト前駆体の局所濃度上昇において、ナノクラスター形成が重要な役割を果たしていることが見出された。今後、イオン化合物を対象とした光捕捉研究への展開が期待される。
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