研究課題/領域番号 |
20K05246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
尾形 修司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90251404)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 化学反応加速化法 / DFT / MD / 化学反応加速 / 化学反応の加速計算法 / 加速MD法 / 固液界面 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
固液界面において常温で進む皮膜生成反応は長い時間の現象であり,計算量が膨大なため既存の計算法では扱えない.この根本的問題を解決するため,対象系から少数の反応中心原子間で電子が移動する化学反応プロセスを網羅的にリストし,2段階のindexを用いて分類後に,直接計算と統計的推測を組み合わせて精度良くバリアを求め,統計力学から1つの反応プロセスを選んで化学反応を人為的に加速する手法を新たに開発する.
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研究成果の概要 |
密度汎関数理論で扱う第一原理分子動力学シミュレーションで実現可能な時間スケールを桁違いに長くする新手法を開発した.本手法では,対象系の中から反応中心となる数個の原子を含む様々な原子クラスターを用意し,それぞれの電子移動プロセスに対して周囲の原子も加えた系を使ってバリアエネルギーを計算する.Kriging法(=ガウシアンプロセス)を用いてバリアエネルギーを予測し,そのデータベースから統計力学に従って次のプロセスを決める.また,本シミュレーションの適切な初期状態を用意するため,対象系のさまざまな部位の湿潤環境でのプロトン化・脱プロトン化を熱力学に従って定める手法を開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
密度汎関数理論で電子系を扱う第一原理分子動力学シミュレーションは,様々な反応ダイナミックスに対して,数百原子規模で数ピコ秒程度の経過時間内で実施され,実績を上げてきた.しかし,産業界で重要な化学反応,例えば固液界面において常温で進む皮膜生成等は,DFT-MDシミュレーションで実行可能なピコ秒オーダーに比べて6桁以上長い経過時間の現象であるため計算量が膨大であり,既存のシミュレーション法では対処できないことが多い.本研究で開発した化学反応加速法は,長い時間スケールで生じる化学反応を,第一原理分子動力学シミュレーションで対処可能にするという夢への一歩といえる.
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