研究課題/領域番号 |
20K05257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
竹内 和歌奈 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (90569386)
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研究分担者 |
五島 敬史郎 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00550146)
岩田 博之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (20261034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | SiC / BN / SiC/BN積層 / CVD / SiCドット / 量子ドット |
研究開始時の研究の概要 |
量子ドットは電子を量子ドット内に閉じ込めることで、電子の状態は孤立した原子と同じ ような離散的なエネルギーレベルをもつ。この特徴化を生かし、高効率の観点からレーザーでの実用化の他、多岐に渡る応用が検討されている。その中で、我々のグループは熱化学気相成長法でビニルシラン原料を用いたシリコンカーバ イド(SiC)層とボロンナイトライド(BN)層を多層に積層することで、SiCの量子ドット化を見出した。しかし、SiC量子ドットの報告は少なく、積層構造では報告がない。また、理論的な報告も十分ではないため、本研究では実験と計算の両面からSiC量子ドットの成長技術確立から物性を解明する。
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研究成果の概要 |
SiCの原料はビニルシラン、BN原料はTDMABとNH3を用いて、Si基板上にSiC/BN積層構造をCat-CVDを用いて作製した。BNの構造はh-BN構造が支配的である。ビニルシランの流量が十分な時にはXRDの結果から、10層積層構造において、約3 nmのSiCの結晶粒が観測された。一方で、ビニルシランの流量が少量の時にはSiCは顕著に観測されないが、AFMから表面形状、FT-IRからh-BNのピークに変化がみられた。PL測定結果から、ビニルシランを導入することで、380 nm付近、680 nm付近の発光強度が増加した。この積層構造作製手法はドットの形成やドーピングとして有用である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではSiCの原料としてはビニルシラン、BN原料としてはTDMABとNH3を用いて、Si基板上にSiC/BN積層構造をCat-CVDを用いてSiC量子ドット形成を試みた。この研究は新規なボトムアップによる量子ドット形成作製方法である。この手法を用いて、原料ガスの流量依存、積層数依存性などを調べることで、BN層に挟まれたSiCの状態や積層構造の発光特性について新しい知見を得ることができた。このことは学術的にも意義がある。また、様々なところで量子ドット応用が期待されている現在、量子ドット形成方法のバリエーションを増やすことは社会的にも意義がある。
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