研究課題/領域番号 |
20K05261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
久保 若奈 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10455339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | プラズモニック光熱電変換 / メタマテリアル / 熱電変換 / プラズモニック光熱電変換機構 / 光検出器 / プラズモン / 局所熱 / 環境発電 / 熱輻射 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者が発見した新しい光熱電変換機構,「熱を介して,光エネルギーを電気に変換する全く新しい光電変換現象」の駆動機構の解明と,その機構に基づく高効率光電変換デバイスの実現を目的とする. 申請者が発見したプラズモニック光熱電現象とは,熱電変換材料と接触した金属ナノ構造体に光を照射すると,熱電変換素子に電流が流れる現象である. ナノサイズの可視・赤外域光検出器や光熱電変換素子などのエネルギー素子への展開が期待できる.これらのデバイスを実現するためには,関与する駆動機構の解明が必須である.申請者が推測した機構が正しいか,明らかにするのが本申請の学術的な問いである.
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研究成果の概要 |
本研究は,申請者が発見した,「熱を介して,光エネルギーを電気に変換する全く新しい光電変換現象」である,プラズモニック光熱電変換の駆動機構の解明と,その機構に基づく高効率光電変換デバイスの実現を目的とした. 完全吸収メタマテリアル構造を利用し,偏光照射下におけるプラズモニック光熱電変換素子の光学特性と光電変換特性との相関を評価した.その結果より,プラズモニック光熱電変換機構が,光照射によって励起した,金属ナノ構造体のプラズモン共鳴によって金属ナノ構造体が局所的にあたためられ,熱電変換素子面内に温度勾配を誘起することによって,熱電変換が生じるという,駆動原理を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プラズモニック光熱電変換は新しい光電変換機構の一つであり,その駆動機構の解明は学術的に重要な意味を持つ.加えて,本機構は光検出器への展開が期待される.特に,プラズモニック構造はサブミクロンサイズの構造を有するため,従来の撮像素子で検出できるよりもより小さなナノ空間領域の微小な光を検出でき,ナノサイエンスにおける物性解明やナノピクセル撮像素子に展開できると考えられる.本研究を通してプラズモニック光熱電変換機構の駆動原理を解明したことから,今後さらなる光電変換効率の向上に向け,駆動原理に基づき設計指針を立てることが可能となった.将来的にイメージング技術などへの発展に寄与することが期待できる.
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