研究課題/領域番号 |
20K05264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
樋口 真弘 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50357836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ドラックデリバリーシステム / ターゲット認識能 / 環境認識能 / ペプチド脂質 / ベシクル / ミネラリゼーション / 炭酸カルシウム / マグネタイト / DDS / 自己供給型ミネラリゼーション / 炭酸カルシウム被覆ベシクル |
研究開始時の研究の概要 |
日本人の死因の第1位は癌である。近年、オプチーボを初めとする分子標的薬の開発により、癌の化学療法は目覚ましい発展を遂げている。しかしながら、これら新薬の薬価は非常に高額であり、保険財政を著しく逼迫させることが予想される。一方において、これまでに多くの抗癌剤が開発されてきたが、十分な薬効を示すものの、強すぎる副作用のために、治療薬として断念されてきた安価な抗癌剤も多く存在する。そこで、特定部位・特定環境下でのみ、これら薬剤を選択的に放出可能な、薬物送達システムの構築を目的とした。具体的には種々の癌細胞を認識し、癌細胞近傍の弱酸性条件下でのみ薬物放出可能な、汎用性のあるシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
ベシクル表面を炭酸カルシウムで被覆することで、生理条件下での構造安定化と、特定条件下、特に、癌組織近傍の環境下での崩壊に伴う薬物放出が可能なDDS担体の構築を目的とした。さらに、同炭酸カルシウムで被覆したベシクル表面に受容体となる官能基を、温和な条件で導入することで特定部位への誘導が可能であることを示した。本研究で得られた炭酸カルシウム被覆ベシクルは、がん化学療法用のDDS担体として、1)EPR効果発現の粒径範囲であること、2)がん組織近傍の弱酸性環境下で効率的に薬剤を放出できること、3)がん細胞を特異的に認識可能であること、の3条件を満たしうる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬の開発により、癌の化学療法は目覚ましい発展を遂げている。しかしながら、これら新薬の薬価は非常に高額であり、保険財政を著しく逼迫させることが予想される。一方において、これまでに多くの抗癌剤が開発されてきたが、十分な薬効を示すものの、強すぎる副作用のために、治療薬として断念されてきた安価な抗癌剤も多く存在する。本研究では、癌の化学療法に用いるDDS担体として、癌細胞近傍の弱酸性条件下でのみ崩壊するCaCO3被覆ベシクルを薬物担持担体の基本構成単位とし、その表面に、種々の癌細胞を認識するフラグメントを任意に導入可能な、汎用性のある担体の構築を目的とした。
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