研究課題/領域番号 |
20K05275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
副島 哲朗 近畿大学, 理工学部, 准教授 (40512695)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 無機材料 / ナノ粒子 / 臭化銀 / 金 / 複合材料 / 光触媒 / ハロゲン化銀 / ナノ結晶 / 形状制御 / 接合材料 / 新奇形状制御法 / 表面増強ラマン散乱 / 金ナノ結晶 / 光還元 / ヤヌス粒子 / ナノ構造体 / 無機合成 |
研究開始時の研究の概要 |
ハロゲン化銀は,写真の感光用材料や電極として使われてきたが,最近,新しい光触媒として注目を集めている。一方,申請者は,つい最近,ナノサイズのハロゲン化銀結晶について,従来の知見では説明できない異常な形状変化が起きることを見出した。そこで本研究では,このハロゲン化銀ナノ結晶の特異な形状変化の謎を解くことを一つ目の目的とする。さらに,金とハロゲン化銀ナノ結晶の複合体は光触媒材料として期待されるにも関わらず,その複合体の合成自体,ほとんど報告がない。二つ目の目的として,構造が制御された金とハロゲン化銀ナノ複合体の合成を目指す。さらに,以上の知見を動員して,新しいハロゲン化物ナノ材料の創製を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では,近年,機能性無機材料のひとつとして注目されているハロゲン化銀に着目し,その形状制御法および金ナノ結晶との複合化の新規手法の開発を行った。その結果,本来は溶解度が小さく水への溶解が考慮されないハロゲン化銀において,水中での溶解-再析出現象が関連して,室温でナノ結晶の形状制御が可能であることを見出した。また,金との接合では,金錯体の光還元がトリガーとなり対称性の破れが生じ,スノーマン型の金-臭化銀ナノ粒子が成長することを発見した。また,無機結晶のさらなる形状制御や機能発現を目的として,金などの無機ナノ材料の新規合成法と光触媒などの種々の機能の開発を展開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,従来は無視されていたハロゲン化銀の溶解現象をその結晶成長に組み込み,ハロゲン化銀ナノ結晶の形状制御にとって重要な要素となり得ることを示した。これは,無機化合物におけるナノ結晶の形状制御にとって新たな指針を提供するものである。また,初めて金と臭化銀のナノ複合体の精密合成に成功するとともに,その界面に由来する増強電場を実験的に明らかにしたのは,本研究者が知る限り本報告のみである。また,本研究をとおして,本来は溶解度が小さく容易に析出すると思われていたハロゲン化銀材料について,共存する有機分子やイオンによってその析出が著しく抑制することがわかった。
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