研究課題/領域番号 |
20K05276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
仲程 司 近畿大学, 理工学部, 准教授 (10375371)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 金属ナノ粒子 / 環状ジアミノセレノシクロファン / 酸化還元 / キラルアミノ酸 / 粒子径制御 / 高配位ジカチオン塩 / キラルアミノ酸誘導体 / セレヌランジカチオン |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノ粒子とは、金属原子が数個から数万個集まった集合体であり、通常の金属とは全く異なる特異な性質(特異な光学特性や高い触媒能など)を持つ事が知られている。近年、その性質が注目され、電子工学・セラミックス・電池など様々な研究開発分野で注目を集める次世代の材料の一つとなっている。本研究では、「金属ナノ粒子を強力な還元剤を用いることなく手軽に合成する手法の開拓」、「金属ナノ粒子の大きさを均一かつ容易にコントロールする手法の開発」、「金属ナノ粒子の界面の化学的性質を容易にチューニングする手法の開発」、「キラル金属ナノ粒子触媒の安価で容易な合成手法の開発」に注目して研究を行う。
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研究成果の概要 |
ジアミノセレノシクロファンを使用して金属ナノ粒子を合成する新たな手法を開発した。キラルなアミノ酸誘導体を含むジアミノセレノシクロファンと塩化金酸をTHFに溶解し、紫外光を照射することで、均一な3nm程度のAuナノ粒子が生成された。また、光学活性なアミノ酸誘導体を導入したジアミノセレノシクロファンを用いて合成したAuナノ粒子やPdナノ粒子は、CDスペクトルで正負対称なコットン効果を示し、ナノ粒子界面に不斉が誘起されている可能性が示唆された。Pdナノ粒子を用いた鈴木-宮浦クロスカップリング反応では、ごくわずかに反応が進行したが、Pdナノ粒子が熱に不安定であることを示す実験結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セレンが有する高い酸化還元能と、複数の窒素-セレン原子間で生じる可逆的かつ再現性の高い超原子価結合の形成・開裂反応を活用して新たな金属ナノ粒子の合成方法を構築する試みは、独創的であり大変興味深いと考えている。強力な還元剤を用いず、また大過剰の保護基の添加も不必要で、紫外光の照射のみで金属ナノ粒子を合成する例は、他に類を見ない挑戦的な試みであると考えている。分子の可逆的な構造変化を活用して様々な機能性を持つ有機・無機複合材料への展開も期待できる。本研究は、機能性分子の応用と活用の場を探っていく試みの一つとして非常に意義深いと考えている。
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