研究課題/領域番号 |
20K05294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 東京電機大学 (2022-2023) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
茂木 克雄 東京電機大学, 工学部, 教授 (20610950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | エクソソーム / イオン濃度分極 / マイクロ流路 / 細胞培養 / ナノ粒子分離 / イオン枯渇領域 / イオン交換膜 / マイクロ流体デバイス / exosome / ion depletion zone / microfluidic device / 液滴操作 / EWOD / 試薬調製 / がん悪液質 |
研究開始時の研究の概要 |
末期がん患者の多くが苦しむ「がん悪液質」は、がん細胞から分泌される小胞(エクソソーム)の機能による筋細胞の萎縮に起因していることが示唆されている。本研究では、エクソソームが骨格筋に疾患因子を伝達する動的な現象を捉え、がん悪液質発症メカニズムを解明しようとしている。そのため本研究期間中に下記の2項目に取り組む。 ① 骨格筋周辺の生体内現象の可視化システムを開発する。 ② 筋細胞組織へのエクソソームの作用を可視化する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、エクソソームの生体への影響を可視化するため、生体模倣システムを構成する「流路構造」および、「細胞培養技術」、「送液機構」の研究開発に取り組んだ。 流路構造については、3Dプリンタを用いた手法を考案し、高精度かつ容易にサブミリスケールの構造を製作できるようにした。細胞培養技術については、遠隔で監視制御が行える小型培養器を試作し、複数種類の細胞の繊細な培養環境を制御することができた。また、送液機構にパッシブポンプを取り入れて、安定した定流量の送液を実現した。今後は、開発した要素技術を統合し、エクソソームの生体への影響を可視化するための生体模倣システムの開発を着実に進めていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、エクソソームの関わる生体内現象の可視化システムにとって最も重要な、マイクロ流体デバイスの基盤技術を開発した。この基盤技術により、複数種類の細胞を整列させた状態で培養し、経時観察することができるため、これまで実証困難であったサブミクロンスケールのエクソソームの生体内での作用についても直接的に明示できるようになった。本研究で得られた成果技術は、倫理的にも学術的にも優れているため、動物実験を必要としない新しい生体内現象の可視化技術として、広く利用されることが期待できる。
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