研究課題/領域番号 |
20K05295
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
宮永 崇史 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70209922)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | XAFS / 相転移 / 磁性合金 / 超伝導体 / 誘電体 / 原子相関 |
研究開始時の研究の概要 |
構造相転移と磁性相転移の協奏現象はマルチフェロイクス機構を考える上で重要であり、 関連物質の構造はこれまでX線や中性子線などの回折法を用いて主に平均構造から研究され てきた。一方、平均構造として立方相となる系でも局所的な歪みが存在する例が見つかり、 これまでの結果との不整合が未解決問題として現れた。本研究ではペロブスカイト型チタン 酸化物(強誘電体)およびFeRh系合金(強磁性体)を対象物質とし、構造相転移やそれに付 随した磁性相転移に対し、より局所的な見地から歪みの存在を明らかにしその原因を探る。
|
研究実績の概要 |
FeRhPd合金の相転移について、ロシアのモスクワ大学との共同研究を進めてきた。Pdのドープによって結晶格子が膨張したことにより、磁気転移温度の低下との 関連性が示唆され、より詳しい解析と議論を行った。この結果を、2023年7月のナノ材料の国際会議で発表した。 本課題と関連して、最近注目されている鉄系超伝導体の一種であるFeTeSe超伝導体の相転移についても同様なメカニズムで相転移が進んでいるのではないかという発想のもと、高エネルギー加速機研究機構の放射光実験施設でFe-K端、およびSe-K端のXAFS測定を行った。20Kから300Kまでの温度範囲で測定を行い、現在解析中である。 さらに、本研究と関連するXAFSによるナノ粒子の構造と相転移に関する研究を同じく高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設で推進し、富山大学との共同研究として遂行した。カーボンナノチューブ(CNT)に内包されたカルコゲン元素(S)の構造を解析した。その結果は論文として発表予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染拡大のためにRMCに関するラトビア大学との共同研究にやや遅れが生じているが、そのほか、FeRhPdのXAFS解析についてや、新たにFeSeTe関する局所歪の解析は順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き放射光を用いたXAFS測定実験を行い、実験データを解析するとともに、リバースモンテカルロ法や多重散乱法を用いた理論解析を行う予定であ る。 また、現在執筆中の論文を仕上げるとともに、国際会議での発表を行う。
|