研究課題/領域番号 |
20K05300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
大貫 等 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60223898)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | バイオセンサ / 抗原抗体反応 / 電気化学インピーダンス分光法 / 免疫センサ / 唾液 / 電気化学インピーダンス法 / 平行平板電極 / 微細加工 / コルチゾール / 免疫 / 平行平板 |
研究開始時の研究の概要 |
電気化学インピーダンス分光法によるバイオセンサは,非標識・簡易・迅速など優れた特性を有する.本研究では,電極間隔を極限まで近づけた平行平板電極を開発することにより,平滑で整った表面上で進行する抗原抗体反応のみを信号化し,高感度化と高安定性・高選択性を両立する画期的な手法を確立する.さらに同一基板上に2電極を配置した基板を作製し,一方を非特吸着のみが生じるブランク電極として,もう一方のセンサ電極の信号との差分をとることで,ノイズとなる非特異吸着成分を取り除く新手法の開発も行う.本研究成果は,疾病の進行に伴い顕著な濃度変化が現れるバイオマーカーを,その場で高精度検査できる技術へ応用できる.
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研究成果の概要 |
インピーダンス計測型バイオセンサは,抗原抗体反応などの特異吸着反応を検知する強力な測定法である.しかし,測定チップ毎のばらつきが非常に大きく,この点が実用性を大きく阻んできた.本研究では,独自に開発したマイクロギャップ平行平板電極を本センサに適用することで高い再現性が得られることを唾液中コルチゾール濃度測定より示した.電流分布シミュレーション解析から,マイクロギャップ平行平板電極における高再現特性が得られる理由を解明した.さらに,本センサでは標準法であるELISA測定と同等の結果を10分間程度で得ることが可能であり,これは4-5時間を要するELISAと比べて非常に迅速であることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
健康長寿社会の実現には客観的な指標による健康管理が不可欠である.唾液は手軽に採取できる検体であり,コルチゾールをはじめとする多くのバイオマーカーを含んでいる.従って,唾液は日常的なモニタリングによる健康管理に非常に適していると言える.しかし,唾液中の多くのバイオマーカーは数nM以下という極めて低濃度であるため,血液などの高濃度検体に比して未だ十分に活用されていない.本研究で開発されたバイオセンサは,コルチゾールといった比較的小さな分子に対しても非常に高い感度を持ち,再現性にも優れていることが唾液検体において実証された.本センサの開発により,唾液による健康管理デバイスの可能性が拓かれたと考える.
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