研究課題/領域番号 |
20K05305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
重田 出 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (30370050)
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研究分担者 |
窪田 崇秀 東北大学, 工学研究科, 特任准教授 (00580341)
廣井 政彦 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (80212174)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | スピントロニクス / 超伝導 / ホイスラー合金 / ハーフメタル / 超伝導ゆらぎ / アンドレーエフ反射 / スピン三重項クーパー対 |
研究開始時の研究の概要 |
スピン分極率が100%のハーフメタルホイスラー合金と超伝導体のエピタキシャル積層膜を成膜し,その磁場中輸送特性を調べる。超伝導ゆらぎ理論に基づいた解析によって,超伝導特性や輸送特性を特徴づけるパラメータを導出する。得られた情報に基づいて,超伝導スピントロニクス素子の構造やサイズを最適化する。界面を原子レベルで制御した素子を用いた測定手法を駆使して,ハーフメタルホイスラー合金が高スピン分極率を有すること実証し,スピン三重項クーパー対の観測を目指す。さらに,超伝導体を電極材料に用いた巨大磁気抵抗素子の作製と評価に取り組み,既存の巨大磁気抵抗素子の特性を凌ぐ超伝導スピントロニクス素子を創製する。
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研究成果の概要 |
超伝導体NbNとハーフメタルホイスラー合金Co2Fe0.4Mn0.6Siのエピタキシャル膜の磁場中輸送特性を評価することで,面直通電型の超伝導巨大磁気抵抗(CPP-SGMR)素子の作製条件と素子構造の最適化に必要な物理パラメータを導出した。ハーフメタル層を挿入した場合には,超伝導コヒーレンス長や拡散係数は増加したが,超伝導転移温度や上部臨界磁場は減少することが明らかになった。 得られた成果に基づいてCPP-SGMR素子を設計して作製した。その素子特性を評価したところ,GMR素子の特性が得られた。現状では,CPP-SGMR素子の磁気抵抗比が数%と小さいため,今後,素子特性の改善が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハーフメタルを電極材料としたスピントロニクス素子は,既存のエレクトロニクス素子の性能を凌ぐ次世代デバイスとして期待されている。また,超伝導デバイスの半導体回路に対する優位性は,ジョセフソン素子の高速性・低消費電力性と共に,無損失性という超伝導体本来の特性に基づくものである。 我々は,ハーフメタルと超伝導体を融合した系に注目して,新しい機能性を創出するために作製条件や構造を最適化した素子を作製して,その特性評価に取り組んだ。得られた成果は基礎研究ばかりでなく,強磁性ジョセフソン素子の超伝導磁気メモリへの応用・展開も期待されるため,新奇超伝導スピントロニクス素子を開発するという観点からも重要である。
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