研究課題/領域番号 |
20K05309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
水戸 慎一郎 東京工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (10637268)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 真正乱数 / 磁性ガーネット / 量子乱数 / 磁区 / イメージセンサ / 真正乱数生成器 / 物理乱数生成器 / 磁気光学効果 / 物理乱数生成 / 磁気光学 / 乱数生成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,磁気光学材料のメイズ磁区構造をノイズ源として用いることで,スマートフォン等に組み込みが可能で1 Gbit/sを超える乱数生成速度をもつ,国内外を通じて例のない物理乱数生成器を実現するものである.我々はすでに磁区をノイズ源として統計的に均一な乱数を生成できることを示したが,乱数生成に適した磁気光学材料の設計指針や,最適なデータ処理手法は未だ解明できていない. 以上の背景を踏まえ,本研究は乱数生成に適した磁気光学材料およびデータ処理手法を明らかにし,高速かつ小型な物理乱数生成器を世界に先駆け実現することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究は、磁性ガーネットの磁区構造をイメージセンサで読み取り、均一化処理を行うことを原理とする,小型高速の真正乱数発生機の実現を目指したものである。まず、磁性ガーネット用の液相エピタキシー装置を作製して、乱数生成に適した磁性ガーネット膜の特性と作製条件を明らかにした。作製した磁性ガーネット膜をの磁区を光学定盤上の高画素高速型イメージセンサで読み取り、コンピュータ上で攪拌処理を施したところ、乱数検定(NIST SP800-22)に合格することを確認した。乱数生成速度は最大で約1Gbit/sを達成できた。また、3Dプリンタで小型デバイスを試作し、乱数を生成できることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、磁性ガーネットの磁区構造をノイズ源とした、スマートフォンに搭載できるほど小型で低消費電力かつ、高速な真正乱数生成器の基本構成を明らかにし、その性能を実証した。この乱数生成器は小型かつ高速で真の乱数を生成できるので、スマートフォン決済システムなどの高いセキュリティが求められる分野で広範な応用が期待できる。また,並列化も容易であるため、並列化して乱数生成速度を高めることで、素粒子シミュレーションなどの乱数生成に大きな計算コストを必要としている分野でも広く利用できると期待される。
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