研究課題/領域番号 |
20K05314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
馬渡 康徳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (70358068)
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研究分担者 |
東 陽一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (70801059)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 超伝導工学 / メゾ・スケール / 数理的研究 / シミュレーション / ジョセフソン接合 / 三端子デバイス / 非平衡準粒子 / 縦磁場臨界電流 / 臨界電流 / 超伝導薄膜 / 数理モデル / 検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
メゾ・スケール(nm~μm)領域における超伝導工学は,検出器,共振器,および接合等の電子デバイスや,量子化磁束ピンニングおよび臨界電流等の超伝導線材に関する研究開発など,重要かつ活発な研究開発分野である.一方,この領域の超伝導現象を記述する Ginzburg-Landau (GL) 方程式は,変分構造や対称性など数理的に良い性質をもち,解析学や関数論等の数理研究でも豊富な成果がある.本研究では,GL および Eilenberger 方程式等を基にした理論・シミュレーション技術に,数理研究の手法を導入した新たな効率的解析手法を開発し,実験主導で進められているメゾ・スケール領域の超伝導工学を格段に発展させる.
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研究実績の概要 |
令和4年度は、(1)ジョセフソン接合の磁気干渉、および(2)超伝導三端子デバイスに関して、それぞれ次のような研究成果が得られた。 (1)「斜め磁場中ジョセフソン接合における特異な磁気干渉」三次元斜め磁場を十字型接合およびオーバーラップ型接合に印加したときのゲージ不変位相差および臨界電流について数理的解析を行い、臨界電流の磁場依存性に現れる干渉パターンは接合の幾何学的形状により全く異なることを理論的に明らかにするとともに、接合面内の電流分布と磁気干渉との関連について考察した。特に、接合面に対して垂直な磁場を印加したとき、十字形接合では接合面の四隅付近の位相差が空間的に変調されるため垂直磁場中では磁気干渉パターンは現れないが、オーバーラップ型接合では(特にオーバーラップ長さが幅より短いとき)接合面の全体にわたって位相差が空間的に変調されるため垂直磁場中で磁気干渉が現れることがわかった。また三次元斜め磁場中では、臨界電流の磁場依存性は多様な磁気干渉パターンを示すことを明らかにした。 (2)「超伝導三端子デバイスのシミュレーション」超伝導薄膜を三端子細線構造に形成した三端子デバイス nTron について、引き続き時間依存 Ginzburg-Landau 方程式と熱拡散方程式を連成して数値的に解くシミュレーションを行った。ゲート電流が直流である場合のチャネルの電流・電圧特性(すなわち直流三端子動作)について、nTron の幾何学的形状・寸法および常伝導抵抗率を変化させたときの違いを明らかにし、直流三端子動作に対する nTron の最適化指針を示した。さらに、nTron を超伝導・半導体ハイブリッド・デバイスのインターフェースとして用いる場合を想定し、nTron のゲートにパルス電流を入力したときのチャネル電圧の振る舞いについてシミュレーションを行い、インターフェースとしてどうさせるためにはシャント抵抗等の最適化が必要であるがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メゾ・スケール超伝導工学に関する2つの研究テーマ、すなわち (1)ジョセフソン接合の磁気干渉、および(2)超伝導三端子デバイスに関して、それぞれ数理的研究および数値シミュレーション研究を行って上記の成果が得られた。さらに、超伝導細線における非平衡準粒子の拡散とトラップについて、また超伝導薄膜における縦磁場臨界電流についても数理的・数値的研究を行った。それらの成果について学会発表を行い、本研究課題は概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)「斜め磁場中ジョセフソン接合における特異な磁気干渉」に関して、局所的電流注入による0-π接合の形成と磁気干渉について論文発表を行う。 (2)「超伝導三端子デバイスのシミュレーション」に関して、ゲート電流を固定したときの直流三端子動作シミュレーションと幾何学的形状等の依存性の結果について、論文発表を行う。また、実際の回路動作を想定して、ゲートにパルス電流を入力したときのチャネル電圧の出力特性についてのシミュレーションを進め、チャネルが常伝導転移した後に自然に超伝導状態へ復帰するような条件を明らかにする。nTron の回路モデリングについても検討する。 さらに、超伝導細線における非平衡準粒子の拡散とトラップについて、また超伝導薄膜における縦磁場臨界電流についても数理的研究および数値シミュレーション研究を進める。
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