研究課題/領域番号 |
20K05323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
下村 勝 静岡大学, 工学部, 教授 (20292279)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アナターゼ / 酸化チタン / エピタキシャル成長 / ヘテロエピタキシャル成長 / 蛍光X線ホログラフィ / ソルボサーマル法 / 表面分析 / 局所構造解析 / 水熱合成 |
研究開始時の研究の概要 |
アナターゼ型の酸化チタン結晶は光触媒や色素増感太陽電池など様々な応用対象があるが、ナノ結晶体の利用が主であり、単結晶基板や単結晶薄膜の利用は極めて限定的である。また、アナターゼ単結晶薄膜へのドーパント周辺の構造情報に関する実験研究報告は殆どない。本研究では、水熱合成法によって様々な元素のドーピングを施した大面積アナターゼ型酸化チタン薄膜をSrTiO3等の単結晶基板上にヘテロエピタキシャル成長させ、その成長メカニズムを解明する。そして、ドーパント周辺の局所構造を光電子ホログラフィ、蛍光X 線ホログラフィ、角度分解光電子分光、理論計算等によって明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ソルボサーマル法によってLaAlO3(LAO)等の単結晶基板上に大面積アナターゼ型酸化チタン薄膜をヘテロエピタキシャル成長させ、その成長メカニズムを解明することである。また、ドーパント周辺の局所構造と電子状態を詳細に解明することである。本研究では、エピタキシャル薄膜を成長させるための安定剤としてアセチルアセトンが使用された。 作製したエピタキシャル薄膜は(001)[100]TiO2|| (001) [100] LaAlO3の配向を有しており、その厚さはおよそ 2.5 μmであった。また、蛍光X線ホログラフィーを用いて、ドーパント原子がTiサイトを置換していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、酸化チタンアナターゼ薄膜がソルボサーマル法によりLaAlO3単結晶基板上にエピタキシャル成長できることが判明したことは、大きな学術的意義がある。また、ランタノイドであるErをドープした際のサイトがTiの置換サイトであることが判明したことについても意義深い。 これらの結果は、大面積アナターゼ結晶が安価な液相成長できる可能性を示しており、これまで様々な応用がされてきたアナターゼ型酸化チタンが微粒子ではなく大型結晶として応用できる可能性を含んでいる。特に電極や太陽電池などへの応用において、単結晶酸化チタンが応用できると、これまでとは全く異なる技術を生み出す可能性がある。
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