研究課題/領域番号 |
20K05325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
永井 滋一 三重大学, 工学研究科, 准教授 (40577970)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 電界イオン顕微鏡 / 機械学習 / 表面構造観察 / 表面分析 / トモグラフィー / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
近年の電子デバイス等の最小線幅はナノメートルの領域に到達し,これらの性能は材料の組成,および原子配列に極めて敏感になる.そのため,物質を3次元的に原子レベルでの詳細な顕微鏡法が要求されるが,原子分解能を有する顕微鏡法は限られている.その1つとして,電界イオン顕微鏡(FIM)は比較的簡便な構造で原子分解能像が得られるが,観察条件の選定および像解釈の困難であることは否めない.本研究では,FIMに最新のデジタル画像解析法と機械学習を実装するとともに,良質なFIM像を学習データとして利用することで,新たな原子分解能トモグラフィー観察手法としての可能性を見出す.
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研究成果の概要 |
電界イオン顕微鏡(FIM)像の解析手法として,物体検出モデルによる結晶面の自動抽出,およびk近傍法による試料の結晶方位を自動同定するシステムを構築した。その結果,80%以上の精度でタングステン試料の結晶方位を同定できることを実証した。原子位置を反映しているFIM像の各輝点の位置を,電界蒸発中に連続撮影した差分画像から抽出するシステムを構築した。さらに,FIMの観察,記録,原子位置の自動抽出をするため,本研究のシステムを既存のFIM装置に実装し,その運用を進めている。本研究によって,FIMへの機械学習の適用による原子分解能トモグラフィー顕微鏡に関して実現可能性を見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子分解能を有する電界イオン顕微鏡は比較的簡便な構造で原子分解能像が得られるが,観察条件の選定および像解釈が困難である。本研究で実施したFIMへの最新のデジタル画像解析法と機械学習の適用により,結晶方位,結晶面,および原子位置を自動解析するシステムを構築することができた。この成果は,新たな原子分解能トモグラフィー観察手法としての可能性を示すものである。さらに本システムは簡便かつ安価であり,次世代デバイスの性能向上および特性評価への貢献が期待される。
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