研究課題/領域番号 |
20K05330
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
重田 諭吉 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 客員教授 (70106293)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 表面構造 / RHEED / 菊池パターン / 構造解析 / 非弾性散乱 / 表面構造解析 / 反射高速電子線回折 |
研究開始時の研究の概要 |
反射高速電子線回折法は、電子線の干渉効果を利用し、結晶からの回折波の方向と強度から結晶表面の構造を求める手法です。深さ方向に周期性のない表面構造を正確に調べる場合、表面に色々な角度から入射電子線を当て、それぞれの入射条件で回折波の強度分布を詳細に知る必要があります。また、電子線は結晶の非弾性散乱により結晶表面で色々な方向に散乱されます。そこで、色々な方向の散乱波を入射波として利用し、回折強度が測定できれば1回の測定で種々の入射条件の情報が得られますが、非弾性散乱の確率分布が分かっていません。この研究は、非弾性散乱の確率分布を求め1回の測定で詳細な構造解析が出来る手法を確立するものです。
|
研究成果の概要 |
本研究は、表面構造の解析法として菊池パターンを用いる新たな測定手法の確立を目的として実施した。菊池パターンは非弾性散乱により形成された二次的入射波が種々の方向から入射し、各格子面からの回折波により直線状または曲線状の像を形成したものであるため、入射条件を変化させて測定して得られる多くの情報を含んでいる。種々の回折条件における情報は非弾性散乱確率を知ることで1枚の菊池パターンから求めることができる。そこで、菊池パターンの強度と動力学的な回折強度計算の結果を比較したところ、表面波共鳴条件が起こる菊池エンベロープで表面プラズモンの散乱断面積が著しく増大することを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶表面の構造は、結晶の周期性が断ち切られた表面があるために結晶内部とは異なった構造を形成している。そして、結晶表面の性質は、その構造と密接に関係しているために、表面では特有の電子的・機械的物性が現れる。特に、半導体表面ではその特異な物性により、新たな機能を持った素子が創造できる可能性がある。そのためには、表面構造を正確に知る必要があるが、従来の電子線回折実験では多くの入射条件による測定結果が必要となる。そこで、一つの入射条件で得られた回折パターンのバックグラウンドである菊池パターンから構造解析する手法の確立を目指した。
|