研究課題/領域番号 |
20K05337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
植田 寛和 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (20705248)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 水素分子 / 表面 / 核スピン / 回転エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
核スピンと回転状態の変化を伴う水素分子のオルトーパラ(o-p)転換は,様々な固体表面で誘起されることが知られているが,転換における回転エネルギーの散逸過程は未だ理解されていない.エネルギー散逸を理解する糸口として表面温度依存性を調べる.本研究では脱離温度が高い吸着系を研究対象とし,広範囲の温度領域でo-p転換確率を調べることで回転エネルギー散逸を理解することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,核スピン転換とともに回転状態の変化を伴う水素分子のオルト-パラ転換を通して,固体表面に吸着した分子の回転エネルギー散逸過程を明らかにすることを目的とした.パラジウムの(210)面に分子状化学吸着した水素の転換確率の表面温度依存性を調べ,転換確率は表面温度41-60 Kの間で1桁変化することを見出した.得られた実験結果を解析し,エネルギー散逸過程を考察した.これまで回転エネルギーは金属表面の電子系のみへ散逸されると考えられてきたが,それでは実験結果の表面温度依存性を説明できず,電子系とフォノン系両方へ散逸されるモデルを構築することで,実験結果を説明できることが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子-表面間のエネルギー移動を明らかにすることは,分子と固体表面の相互作用を理解する上で重要である.過去の研究より,固体表面上での分子の振動エネルギーの散逸過程は明らかになってきているが,分子の他の自由度である回転エネルギーの散逸過程については未解明である.本研究によって,オルト‐パラ転換に伴う回転エネルギーが固体表面の電子系とフォノン系の両方に散逸されることが明らかになった.本成果は分子-表面間のエネルギー移動の全容解明につながるものである.
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