研究課題/領域番号 |
20K05339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
鯉田 崇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ長 (70415678)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酸化物半導体 / 透明導電膜 / 酸化インジウム / 移動度 / ドーピング / 遷移金属 / 水素 / 固相成長 / 非晶質 / 安定性 / 信頼性 / 金属酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、酸化物半導体のn型ドーピングにおいて、ホスト材料の伝導帯内にドナー準位を形成する不純物を添加することで、伝導電子の高移動度化を図るという共鳴状態を利用した酸化物半導体のドーピング現象を、薄膜を用いて検証することを目指す。遷移金属あるいは水素を添加した酸化インジウム透明導電膜を準備し、薄膜製造条件が薄膜物性に与える影響を点欠陥レベルで理解し、真に高移動度な透明電極を得るための指針を得る。
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研究成果の概要 |
高移動度透明電極の作製指針を得るため、酸化インジウム半導体のドーピング現象について研究した。添加した不純物の種類により電子濃度と移動度の挙動は変化し、各種評価装置を用いてその要因を解明した。特に、CeとHを共添加した薄膜は、一般的なITO薄膜よりも顕著に高い移動度を実現する。その要因は、電子の有効質量が軽いことではなく、電子の散乱が効果的に抑制されていることが判明した。Ceは酸素との解離エネルギーが高く酸素空孔の生成を抑制し、またInとのイオン半径の近さによりCe添加による格子歪も抑制され、さらにCe 4f準位がフェルミエネルギーより高く自由電子との相互作用も抑制されると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果は、透明性と高い導電性を兼ね備えた材料の開発に新たな視点を与え、エネルギー変換デバイスの性能向上に寄与する。また、一般的なホール測定に加え、赤外分光、昇温脱離分析、硬X線電子分光法により、電子の有効質量、キャリア濃度、緩和時間、欠陥状態、そして電子状態を調べる詳細な物性解析手法の確立により、材料設計への効果的なアプローチが可能となる。
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