研究課題/領域番号 |
20K05357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉岡 孝高 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70451804)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | フェムト秒光周波数コム / 天文コム / 系外惑星探査 / Yバンド / 近赤外 / 光周波数コム / レーザー分光 |
研究開始時の研究の概要 |
恒星の視線速度の変化による極僅かな光のドップラーシフトを捉えハビタブルゾーンの地球型系外惑星を観測するための、Yバンド(980 nm-1080 nm)におけるコンパクトかつ長期的に高い再現性を有する天文コムを実現する。超高繰り返しフェムト秒チタンサファイア光周波数コムの安定動作を堅牢化し、超低分散共振器ミラーによって広帯域に縦モード選択を行った上で無人運転可能なシステムに拡張する。大型望遠鏡における実地試験を通じて高分散分光器の校正能力を調べるとともに、精密分光分野に重要な簡便な光周波数測定器としての貢献にもつなげていく。
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研究成果の概要 |
超高繰り返しチタンサファイアフェムト秒光周波数コムを用いたフィルタ共振器の性能条件緩和機構により、コンパクトかつ安定な天文コムを実現した。岡山天体物理観測所188cm反射望遠鏡の高分散分光器HIDESを用いて可視光領域における天文コムの各光周波数の分離観測を実現し、我が国ではじめて天文台における高分散分光器の校正を行うことに成功した。また、フィルタ共振器の分散の最小化や真空容器の導入を通じた空気の分散の影響の除去により、近赤外領域のYバンドにおける広帯域かつ高い校正能力を有する、長時間観測に適用可能な天文コムを実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地上の天文台における恒星の観測を超高精度化することで、地球に類似のハビタブル惑星の存在が可能となる。この高精度化を実現するのが、絶対周波数が定まった光周波数の校正器である光周波数コムを用いた高分散分光器の校正である。実観測に資する性能や長期安定性を天文台の環境で実現するのは困難な状況が続いていたが、本研究でこれを解決する方法を提示するとともに、実際に国内の天文台での実証実験を成功させた。また、軽い質量が想定されるハビタブル惑星の検出を実現しうる波長帯域の広いYバンドのコムを実現し、実際の惑星探査研究への利用の道筋をつけた。
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