研究課題/領域番号 |
20K05360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 俊博 京都大学, 工学研究科, 講師 (30362461)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | メタマテリアル / BIC状態 / 電磁波の保存 / 時変メタマテリアル / 直流モード |
研究開始時の研究の概要 |
メタマテリアルとは人工的な構造の集合体であり、様々な電磁波を制御するものとして盛んに研究されている。本研究では、メタマテリアル中に電磁波を保存し、望みのタイミングで再生する新手法を提案し、実験実証するものである。BIC状態と呼ばれる伝搬電磁波との結合のない共振状態を動的に制御することで、電磁波の保存と再生を実現する。従来手法と全く異なる本手法により、適用周波数範囲も広がることが期待できる。
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研究成果の概要 |
メタマテリアルと呼ばれる人工媒質に電磁波を保存する方法として、BIC状態(Bound states In the Continuum状態)を動的に変調する手法を考案した。設計したメタマテリアルが、非BIC状態からBIC状態になることで電磁波を保存し、再び非BIC状態にすることで保存されていた電磁波が伝搬波として再生されることを電磁界解析を用いて示した。また、直流モードと呼ばれる予想していなかった保存形態でもエネルギーが保存されていることが明らかになった。加えて、二酸化バナジウムを導入したメタマテリアルのテラヘルツ応答を計測し、凖動的にBIC状態を切り替えが可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタマテリアルと呼ばれる人工媒質の研究は、設計の自由度を広げながら進展を遂げてきたが、時間変化の自由度を付与した時変メタマテリアルの研究は近年特に注目を集めている。本研究は静的な特性が研究されていたBIC状態に時変性を付与することで、電磁波の保存と再生という応用を実現するもので、時変メタマテリアルの新たな可能性を広げたといえる。更に研究の中で、予想していなかった直流モードと呼ばれるモードが保存に関係していることが分かった。これにより、直流モードは導電率を急変化させたときに普遍的に表れる物理現象であることが明らかになり、メタマテリアルだけではなく、電磁波制御の新たな可能性を示したといえる。
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