研究課題/領域番号 |
20K05363
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
中尾 基 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (70336816)
|
研究分担者 |
犬伏 俊郎 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (20213142)
小松 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30253008)
長町 信治 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 客員教授 (80447002)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | ダイヤモンド / カラーセンター / 発光 / バイオマーカー / 空孔 / イオン注入 / SiV / 空孔導入 / シリコン-空孔センター / 発光センター / 色中心 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイヤモンドの発光センターは、生体イメージングのプローブ材料、光検出磁気共鳴、量子コンピュータ、量子通信、量子センサ等の量子技術での量子ビットとして期待されている。 これまで、ダイヤモンド中の窒素-空孔(NV)センターが盛んに研究されてきたが、そのスピンコヒーレンス時間が短いことや、ゼロフォノン線の発光強度が小さいなどの課題も少なくない。 そこでこれらの課題を克服するIV族元素を用いた新しい発光センターに注目が集まってきた。 本研究ではIV族元素、Si、Ge、Sn、Pbを用いたダイヤモンド発光センターの作製技術を確立し、それらの生体イメージングおよび量子技術の基材としての特性を解析・評価する。
|
研究成果の概要 |
ダイヤモンド構造中に形成されるSiV(シリコン-空孔)カラーセンターは、738nm のフォトルミネッセンス発光波長を持ち、これは生体の窓と呼ばれる波長域に位置するため、バイオマーカーへの応用が期待されている。本研究では、バイオマーカー等に適用できるカラーセンター含有のダイヤモンドナノ粒子形成を目的として、多結晶ダイヤモンド薄膜の形成条件の整理、カラーセンターが発現するプロセスの開拓、ダイヤモンド薄膜の剥離・粉砕によるナノ粒子化、さらにはカラーセンター発現の制御性・再現性の向上について研究を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究でえられたシリコン-空孔カラーセンター含有のダイヤモンドナノ粒子は、炭素由来であるため生体適合性が高く、化学的にも安定であるため、様々なバイオマーカーの材料に適していると考えられる。特に本研究では、ダイヤモンド中の不純物導入(気相導入)と空孔導入(ヘリウムイオン注入)を独立に実施することで、非常に効果的にカラーセンターを発現させることができた。この技術は他の材料創製にも適用できる可能性がある。また、熱フィラメント化学気相成長法によるダイヤモンド膜は比較的簡便な装置であり、大口径化も可能であるため、今後の生産性を考慮した際も有力な手法であると判断している。
|