研究課題/領域番号 |
20K05368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
賈 軍軍 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (80646737)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光ブリーチング / 間接遷移 / 直接遷移 / フェルミーディラック分布関数 / ホットキャリア / 時間分解測定 / 過渡透過率 / 過渡反射率 / 谷間散乱 / 間接遷移型 / 光励起 / Pump-probe測定 / フェルミ‐ディラック分布関数 / ホット電子 / 電子-フォノン結合定数 / 光ブリーチング現象 / Pump-Probe法 / 電子ーホール再結合 / 過渡透過・反射測定 / 間接遷移型半導体 / ホットエレクトロン / 電子フォノン相互作用 / 材料設計 |
研究開始時の研究の概要 |
非線形光学効果により物質の吸収係数が減少する光ブリーチング現象が知られているが、本研究では、間接遷移型化合物半導体における光ブリーチング現象を注目し、光ブリーチング現象と諸物性(励起寿命等)との未知な関係を解明する。将来の通信波長帯への応用を踏まえ、間接バンドギャプ1.0 eV以下の間接遷移型化合物半導体材料に着目して研究する。スパッタ法及びMBE法でこれらの薄膜を合成し、ピコ秒時間分解の非線形光学測定により、ホット電子の寿命及び電子‐正孔再結合寿命を評価するとともに、陽電子消滅法と第一原理計算の併用による欠陥構造の評価を行い、間接遷移型半導体における光ブリーチングの物理機構に迫る。
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研究成果の概要 |
本研究では、直接遷移型と間接遷移型半導体材料における光誘起ブリーチング現象を実験的に調査し、そのメカニズムを解明した。高密度光励起キャリアが半導体の伝導帯の空準位を一時的に占有することで、本来ほぼ不透明な波長領域に光が通過できる。この光ブリーチング効果は電子温度を考慮したフェルミーディラック分布により説明できる。また、直接遷移型InNエピタキシャル薄膜より、間接遷移型Geエピタキシャル薄膜は、広帯域で光ブリーチングができ、その持続時間も長くなる。これらの結果に基づいて、光誘起ブリーチング現象を活用できれば、通信波長帯においてより低い励起強度で超高速ブリーチングデバイスの実現が可能となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体材料における光ブリーチング現象を利用して、光通信分野における超高速光スイッチング制御への研究例はない。この研究の学術的意義として、直接遷移型や間接遷移型半導体における光誘起ブリーチング現象を実験的に調べたうえで、光誘起ブリーチングの物性モデルを提案した。本研究によって、光誘起ブリーチング材料の創出に関する基礎的な知見が得られたものと思われる。有望な半導体材料を見出せれば、光通信波長帯に超高速光制御ができ、ひいては光ダイオードなど新規光デバイスの発展が期待できる。
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