研究課題/領域番号 |
20K05370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
吉田 実 近畿大学, 理工学部, 教授 (50388493)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光ファイバ / ファイバレーザー / パルスレーザー / 雑音状パルス / パルス群 / フェムト秒パルス / 広帯域光源 / 非線形光学効果 / 光帯域光源 / 雑音状パルスレーザー / 非線形ファイバ / 高安定発振 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでのレーザーは、主に光の波長の純粋さや、光速をもってしても100分の1ミリ程度しか進むことのできない短パルスなど、物理的な限界を目指して開発されてきた。しかしながら、実用面においては日常的に経験するような、雑音的な現象は平均的に安定であり、また、時間や周波数軸上に広がっているため全体を集約すれば大きなエネルギーを持たせることが可能となる場合がある。 本研究では、長いファイバにより発生可能な、入力に対して出力特性が比例関係とならない非線形性を巧みに活用し、レーザーの出力パルスが雑音状に集団化することにより安定かつ高エネルギーで、かつ広い波長成分を持つ産業用レーザーの開発を目指している。
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研究成果の概要 |
レーザーには連続波とパルスの2種類の発振形態が存在している。何れも、周波数と位相を人間が制御した電磁波である。本研究では、第3の発振形態として、光パルスを雑音の集団のように発生させ、周波数と位相を無秩序に変化させることを狙った。一方で、レーザーの特長である輝度ならびに指向性の高さを確保させた。このための共振器を新規に開発している。 開発した雑音状パルスはから得られる高い非線形性を利用し、波長が1200から2100nmに広がる、スペクトルの平坦性が高い高輝度な白色光の発生に成功している。従来の単一の短パルス列で行われていた類似光源を凌駕した安定性を得るなど、新しい効果と応用を確認している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファイバ出力型レーザーの特長は、高い輝度(狭い面積から高い光出力を得られる)であるが、安定性や雑音特性に課題が有り、平均化などの処理が必要であった。本研究において開発したファイバ型雑音状パルス光源は、従来型レーザー光源の短所を補う新規性を有している。 本光源により得られる白色スペクトルは、これまでのレーザーでは得られない高安定かつなだらかな波長特性を有しており、ハロゲンランプに置き換えが可能である。それと同時にレーザーの特長である高輝度を有しており、研究分野ならびに産業分野における各種計測の精度とスループットの向上が期待でき、新規分野の開拓と生産性の向上に寄与できる。
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