研究課題/領域番号 |
20K05374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
上原 日和 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (20725329)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 中赤外レーザー / ASE光源 / ガスセンシング / 光ファイバーセンサー / フッ化物ガラス光ファイバー / 中赤外 / ジスプロシウム / 広帯域光源 / 中赤外光源 / 赤外吸収分光 / フッ化物ファイバー / 原子層堆積法 / 赤外光源 / 中赤外ファイバーレーザー / 赤外式センサー / 固体レーザー / ファイバーレーザー / 同位体計測 |
研究開始時の研究の概要 |
将来の核融合発電において、燃料サイクル開発や安全管理の観点から、水同位体や炭化水素の検出技術の開発が急務である。波長3~4μmにおいて指向性や輝度の高い光源を用いることで、これまで困難だった同位体の遠隔検出が実現できる。 本研究では、上記の計測応用のため、高出力かつ高安定、可搬性に優れた中赤外レーザーを世界に先駆け開発する。レーザー媒質として研究例の少ないジスプロシウム系に着目し、半導体レーザー励起による室温での3~4μm波長の高出力発振を目指す。本研究で開発するレーザーは、核融合科学に革新をもたらすだけでなく、環境計測、呼気診断等に応用でき、産業・バイオ・医療分野の発展に波及するものである。
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研究成果の概要 |
Dy3+のLD励起を実現するため、ErとDyを共添加したフッ化物ガラスを開発し、ダブルクラッド光ファイバーを設計・作製した。これを使い、極めて広帯域(波長2.5~3.7 μm)な自然放射増幅光源を実証した。この光源はファイバー結合が容易であるとともに、出力波長域に多くの分子吸収線が存在しており、ガスセンシングに有用である。 上記の経緯から、開発した光源を搭載したセンサーの開発を行い、世界初のインライン型赤外式フッ化物光ファイバーセンサーを実証した。更に、4 μm帯の量子カスケードレーザーをFe:ZnSeで増幅し、ガス吸収線よりも狭い線幅とワット級出力を両立したセンシング光源の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、まず希土類共添加の利得媒質を作製し、発光特性を評価することで、Dy系レーザーの欠点であった汎用LD励起ができない問題を解決した。ErとDy共添加フッ化物ガラスにおけるエネルギー移動を詳細に解明したことは大きな学術的進歩であるとともに、DyのLD励起を可能にしたことで、レーザー装置開発を大きく前進させた。 また、上述の新規材料を使って開発した中赤外ASE光源は従来になく広帯域で、センシング光源として優位性の高いものである。実際に、開発した光源を使った世界初のインライン型赤外式フッ化物光ファイバーセンサーを実証しており、多用途に応用可能なことから関連分野に大きなインパクトを与えた。
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