研究課題/領域番号 |
20K05377
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
清水 智 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所フォトニックICT研究センター, 主任研究員 (10533440)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 光コンピューティング / 光コム / 半導体光増幅器 / 光コヒーレント / リカレントニューラルネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
深層学習等における最適化問題を解く上で課題となっている莫大な量のデータ処理に対して、物理現象を基礎とした光信号処理により学習・最適化にかかる演算時間を格段に高速化する手法を確立することを目指す。具体的には、半導体光増幅器に対して多波長の光信号を同時に入力した際の電子を介した複雑な波長間相互作用を利用し、各波長の光信号の振幅・位相変化の結果を最適化演算過程の一部に利用することにより最適化演算処理を高速化する手法について検討する。本検討により物理現象を利用した最適化問題に関する演算等に関する技術の更なる発展や実用化に向けた進展が期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究では半導体光増幅器(SOA)を伝搬する光コム信号のリザバーコンピューティング適用を検討し,主として次の4点の成果を得た.①広帯域光コム信号の振幅・位相測定手法を提案し,帯域幅150-GHzの信号を20-GHz帯域のコヒーレント受信器で測定可能にした.②パルス伝搬の数値シミュレーションが可能なSOAのモデルを構築し数値シミュレーションによる検討を可能とした.③数値シミュレーションにより形状の近いパルスの差異を強調出来ることを示し,リザバーとしての可能性を示した.④実験・シミュレーション両方においてSantaFe時系列の予測問題について,精度は高くないものの予測動作が可能であることを示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果は,光リザバーコンピューティングの検討でこれまであまり注目されてこなかった周波数領域の活用に新たに着目したものとして学術的に意義があったと考えている.とくに,SantaFe時系列の予測問題における実験および数値シミュレーションによる基本動作実証は,光リザバーコンピューティングにおける周波数領域の活用可能性を示すものとして意義深いものであったと考えている.今後,時間領域と周波数領域の両方を有効に活用することで処理能力を飛躍的に向上させることが期待でき,人工知能技術における学習・予測回路の高効率化に寄与できるものとして,社会的にも意義があったと考えている.
|