研究課題/領域番号 |
20K05379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
澤口 直哉 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40357174)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 分子動力学法 / ホウケイ酸塩ガラス / 原子間相互作用 / ガラス固化体 / 構造ユニット / 4配位ホウ素比 / アルカリホウ酸塩ガラス / アルカリホウケイ酸塩ガラス / 4配位ホウ素存在比 / マグネシアアルミノケイ酸塩ガラス / Al配位数 / 三体間相互作用関数 / 4配位ホウ素 / アルカリケイ酸塩ガラス / 三体間相互作用ポテンシャル関数 / ガラス構造 |
研究開始時の研究の概要 |
漂着・色ガラス(シー・グラス)は形状が丸くなるほど長時間海水に晒されていたのに色褪せていない。これはガラスの着色成分である金属イオンはガラスから容易には溶け出ないことを示している。高レベル放射性廃液をガラス中に混ぜて閉じ込めるガラス固化体は、ガラスのこの性質を利用している。ガラス固化体は長期間化学的に安定でなくてはならない。しかし、ガラスには未解明の性質があり、より多くの基本的研究を進め、安全性の検証レベルを高めなくてはならない。本研究は、ガラスの特徴をコンピュータ上で再現可能なシミュレーション技術の精度の向上を図り、様々な検証をシミュレーションで行えるようにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
高レベル放射性廃棄物の深地下埋蔵の重要な技術要素の1つであるガラス固化体の長期安定性に関する知見を得る目的で、分子動力学法による酸化物ガラスの構造シミュレーションを遂行した。ガラスの主成分系であるホウ酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩について、それぞれ実用的な組成範囲のガラスの原子構造変化を再現可能な原子間相互作用の開発を試みた。その結果、全ホウ素に対するBO4ユニットの存在比、SiO2,SiO5/2,SiO3,SiO7/2, SiO4ユニットの存在比、[AlO4],[AlO5],[AlO6]ユニットの存在比の組成変化の再現性を向上させることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガラス固化体は、酸化物ガラスが多様な元素を同時に溶存可能で、溶存イオンを容易には環境へ溶出しないことを利用する隔離素材である。しかし、長期的な化学的安定性についての知見は不足している。必要なのは、多様な組成の酸化物ガラスの原子構造の理解である。本研究によって、広範囲のガラス組成について従前よりも精度よく原子構造を左舷可能なシミュレーションの基礎を築けたと考える。塩基性酸化物と複数の酸性酸化物の混合比を変数としたガラス構造の理解に役立つことが期待できる。また、本研究の成果は、シミュレーションの併用によって、実験的手法で広範囲の組成域を網羅する必要を軽減できる可能性を示せたことであると考える。
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