研究課題/領域番号 |
20K05380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
立花 優 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (40634928)
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研究分担者 |
阿部 達雄 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (20390403)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 土壌除染 / オゾン / 粘土鉱物 / 腐植物質 / イオン交換反応 / 錯形成 / セシウム / ストロンチウム / 粘土層間 / フレイド・エッジ・サイト / 拡幅・破壊 / 脱水和 / 水和 / ミジンコ急性遊泳阻害試験 / 放射性核種 / 黒ボク土 / フミン質 / 有機酸 / 酸化分解 / 汚染土壌 / 腐食物質 / フミン酸 / 除染技術 / 土壌除染・浄水同時システム / 汚染水除染 / 高速イオン交換反応 |
研究開始時の研究の概要 |
オゾンには土壌と金属イオンの水和環境を劇的に変化させる能力がある可能性を初めて見出した。模擬放射性物質汚染土壌の除染に適用した結果、高い除染効果を確認できた。しかしながら、どの元素がどれくらいの程度で、どのような吸着機構で土壌に取り込まれ、そして、それらの元素から、どの元素がどの程度で、どんな脱離機構で土壌から溶出するのか未解明である。この不思議な現象を溶存オゾン存在下での土壌中の放射性核種の移行挙動と溶存形態、複合吸着剤により除染された水溶液の生物化学的安全性評価に関する研究を通して解明する。
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研究成果の概要 |
オゾン(O3)を用いるとCs、Sr、および粘土鉱物の親水性が向上する。そして、フレイド・エッジ・サイトを含む粘土層間を拡幅させ、粘土鉱物のCsやSrに対する保持能力が低下し、他の金属イオンとのイオン交換が容易くなる。さらには、前述の除染機構の他に、O3が土壌に含まれる腐植物質の官能基を分解し、ギ酸、シュウ酸などを生成させ、それらがCsやSrと錯形成し水溶液側に溶出させる除染機構や腐植物質などが有する官能基の水和環境変化に起因する除染機構も存在する。開発したO3と陽イオン(K, Mg, Ca)を組み合わせた除染操作を数回繰り返すと土壌(例:黒ボク土)からほぼ完全にCsとSrを取り除ける。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
溶存オゾンが存在すると水溶液中の金属イオンの化学的環境が劇的に変わる。例えば、土壌(例:黒ボク土)に対してCsは強く吸着するが、そこに溶存オゾンが存在するとCsは土壌からの脱離が容易であるLiと同程度の吸着能となる。つまり、本研究では、溶存オゾンには金属イオン、フミン質および粘土鉱物の水和環境を自在にコントロールできることを初めて示した。さらに、この現象を放射性物質汚染土壌の除染に適用した結果、Csをほぼ完全に土壌から取り除けることがわかった。開発した除染技術はチョルノービリ及び福島第一原子力発電所周辺の汚染土壌にも無力ではなく、過酷事故処理を先導的に取り組む国家に必要な技術となるはずである。
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