研究課題/領域番号 |
20K05383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐藤 治夫 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (50421615)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 地層処分 / 緩衝材 / ベントナイト / モンモリロナイト / 膨潤応力 / 膨潤力 / 温度依存 / 熱力学 / 放射性廃棄物処分 / 熱力学モデル / 熱-水-応力連成モデル |
研究開始時の研究の概要 |
原子力関連施設からは放射性廃棄物が発生し、これらは地中に埋設処分される。中でも高レベル放射性廃棄物は、廃棄体の周囲に設置する人工バリア(金属容器、緩衝材)と天然の地層を組み合わせた多重バリアシステムにより安全性が確保される。埋設後、廃棄体からは崩壊熱、外側からは地下水が侵入し、時間と共に緩衝材中で温度分布と水分分布、更にはそれらに連動して膨潤応力分布が形成される。 本研究は、緩衝材について、再冠水過程での膨潤応力に関する熱力学モデルの開発を進めると共に、熱と水分の移動、更にはそれらと連動して形成される温度分布、水分分布、膨潤応力分布の長期的な解析モデル(熱-水-応力連成モデル)の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、高レベル放射性廃棄物処分の緩衝材として使用されるベントナイトの膨潤応力について、主成分のモンモリロナイト層間中の陽イオンの水和反応に着目し、層間水の熱力学データを取得すると共に、熱力学理論に基づいたモデルを開発した。また、Na型ベントナイトの主成分のNa型モンモリロナイトを始め、Ca型やK型モンモリロナイトに対する熱力学データを取得した。更に、緩衝材中では、熱(温度)-水-応力(膨潤応力)が複合した現象が進行することから、緩衝材とその周辺岩盤について、熱拡散係数と水分拡散係数をモデル化し、温度、水分、膨潤応力の各分布の解析を行い、実測データと比較することで、モデルの実用性を検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
緩衝材の膨潤応力について、温度の影響も解析できるこれまでになく汎用性の高い熱力学モデルを開発した。これにより、様々なベントナイト、珪砂混合率、乾燥密度などに対して膨潤応力の解析が可能となる。また、初めてNa型のほかCa型やK型モンモリロナイト層間水の熱力学データを取得した。これらのモデルやデータは他に類がなく、学術的にも貴重である。更に、緩衝材中の熱(T)-水(H)-応力(M)の連成モデルを開発し、温度、水分、膨潤応力の各分布の経時変化を解析した結果、実測データを概ね再現し、モデルの実用性が示された。地層処分における人工バリアの設計や長期挙動解析などの側面で、学術的にも社会的にも意義は大きい。
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