研究課題/領域番号 |
20K05389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
石川 法人 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究主幹 (90354828)
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研究分担者 |
田口 富嗣 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 上席研究員 (50354832)
篠嶋 妥 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (80187137)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 照射損傷 / 高速重イオン照射 / ナノ構造 / イオン照射 / セラミックス / ナノ材料 / 粒子線 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高速重イオンを照射した耐照射性セラミックスの照射損傷メカニズムを解明することを目的とする。本研究では、材料条件、照射条件に依存する表面ナノヒロックの形態を詳細に観察・解析する。従来不明だった物質移動と再結晶化プロセスを明らかにし、耐照射性を実現するメカニズムを解明する。さらに、観察データに立脚した分子動力学計算を通じて高精度の損傷予測コードを開発する。
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研究成果の概要 |
高速重イオンを様々な酸化物セラミックスに照射し、照射損傷組織を透過型電子顕微鏡で観察した。照射損傷組織(イオントラックとナノヒロック)がアモルファス化している材料とアモルファス化しない材料とを分けるのは、材料が持つ再結晶化能力であることが分かってきた。一方で、SrTiO3等は、前者と後者の中間的な材料であることが判明した。さらにSrTiO3を対象とすることで、照射直後の物質移動が最終的な損傷形態に大きく影響を与えることが分かった。本課題の研究によって、照射損傷メカニズムに関して、特に再結晶化および物質移動に関するプロセスが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
UO2を含む核燃料セラミックス中の核分裂によって100 MeV程度のエネルギーをもつ高速核分裂片が発生する。このような高速重イオンの照射に伴って形成される高燃焼度組織(リム組織)を理解することは長年の課題である。この微細組織は「表面」に形成されるカリフラワー状組織であり、表面での照射損傷現象の基礎的観点から改めてその形成メカニズムを見直すことは意義がある。本研究では、表面ナノヒロックの観察にメカニズム解明の突破口を見出して、さらにセラミックスの耐照射性メカニズムの解明に挑むものである。本研究を通して、再結晶化や物質移動の概念を持ち込むことで、従来より一段高いレベルのメカニズム解明に到達できる。
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