研究課題/領域番号 |
20K05390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
相馬 康孝 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (90832402)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 沸騰水型軽水炉 / 応力腐食割れ / ステンレス鋼 / 局部腐食 / すき間腐食 / 電気化学 / 高温高圧水 / すき間 / Cr / 応力腐食割れ(SCC) / 高温水 / 軽水炉 |
研究開始時の研究の概要 |
高温水中におけるステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)挙動に及ぼす合金元素の効果は不明な点や矛盾する研究結果が多い。本研究は、これらの効果はき裂先端などのすき間形状部で形成される腐食性の高い環境(クレビス環境)において検証されることで正確な評価が可能であると提案する。そこで本研究では、研究代表者が先行研究で明らかとしたクレビス環境を、各種電気化学測定が可能となるスケールで再現し、腐食挙動に及ぼすCrおよびMoの影響を明らかとする。これにより、高温水中における耐SCC性に及ぼすメカニズムが従来曖昧であった合金元素の効果が、クレビス環境における腐食という新たな観点から明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、高温高圧水中におけるステンレス鋼のすき間内で形成される腐食性環境をバルクスケールで再現した環境(クレビス模擬環境)において、各種Fe基合金の腐食の局在化現象に及ぼす合金元素の影響を調べた。この結果、288℃におけるpH約3.1のクレビス模擬環境においては、Fe-xCr-20Ni(x=16.4、19.8、22.9、24.3、25.9 wt.%)のうち、x=16.4で粒界腐食が発生したが、それ以上のCr濃度では粒界腐食が抑制されることが分かった。また、Fe-16.5Cr-20Ni-yMo(y=3.0、6.0 wt.%)ではMo濃度にかかわらず、粒界腐食が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高温高圧水中におけるFe-Cr-Ni合金の応力腐食割れ(SCC)の進展には、き裂内部で形成される腐食性環境(クレビス環境)によってもたらされる粒界局部腐食が関連すると考え、同環境をバルクで模擬し、腐食挙動に及ぼす合金組成(Cr及びMo)の影響を調べたものである。本研究で明らかとした合金中のCrが粒界局部腐食を抑制する傾向は、同元素がSCCの進展に及ぼす傾向(既往研究)と一致している。この結果は、き裂進展とクレビス環境における局部腐食の関連性を示唆するものであり、SCCのメカニズムの一端を明らかとするとともに、今後の耐SCC合金の開発などで社会的意義があると考えられる。
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