研究課題/領域番号 |
20K05397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤野 貴康 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80375427)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | MHD発電 / 希ガスプラズマ / 電磁流体解析 / MHD発電機 / プラズマ / 電磁流体力学 / 再生可能エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
大量の再生可能エネルギー電源を含む次世代電力システムの系統安定化に貢献可能な高速大規模出力調整用希ガスMHD 発電機の開発を早期に実現すべく,高温利用による高効率発電を期待した従来の希ガスMHD 発電機の開発意義から脱却し,独自に発案した「低温駆動希ガスMHD 発電機」の創出を目指す研究を今後進めていく。その起点となる本研究では,代表者が独自に積み上げてきた高度な電磁流体解析技術を駆使して,低温駆動希ガスMHD 発電機の安定作動を可能とする方策を見出すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
大量の再生可能エネルギー電源を含む次世代電力システムを見据え,今後の火力発電機には電力需給ギャップの調整電源としての高い出力調整能力が求められている。この要求に対し,希ガスMHD発電機が回転型火力発電機とは異次元のレベルで応じられることが研究代表者の先行研究から予測されている。そこで,研究代表者は,次世代電力システムの系統安定化に貢献する高速大規模出力調整用希ガスMHD発電機の開発を早期に実現すべく,独自に発案した「低温駆動希ガスMHD発電機」の創出を目指す研究を本科研費の支援のもとで開始した。
R4年度は,まず,定格時システム効率:45%以上を念頭におき,低温駆動化・大規模出力調整能力の観点および発電機サイズのコンパクト化の観点から,適切な希ガス種(アルゴン,ヘリウム)の選定に関する解析を実施した。その結果,上記の三つの観点からは,ヘリウムよりも高いホールパラメータが得られやすいアルゴンの方が本研究の目的には適した作動ガスであることが示された。次に,ここで得たアルゴンガス利用低温駆動希ガスMHD発電機単体の出力調整能力(幅)をシード率・負荷電圧をパラメータにして定量的に評価した。その結果,適切にシード率と負荷電圧を調整すれば,発電機単体では定格出力170 MW程度(エンタルピー抽出率: 23%程度)から出力ゼロまで,電離不安定性による発電機の不安定性を招くことなく,出力調整が可能なことを確認した。この結果を受け,昨年度計画した通り,数値解析技術を用いて同発電機を外部電力系統に結線した状態で安定に定格運転可能なDC(発電機側)-AC(電力系統側)変換シスステムを設計し,現在,その設計結果に基づいて同発電機の安定定格運転に関する外部電力系統と発電機の連成非定常解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度当初の予定からは,本年度中に外部電力系統に接続した状態で時間的な出力調整に対する発電機の安定性を解析から結論づける予定でいたが,DC-AC変換器の数値設計の検討に時間がかかり,現段階では,定格運転時の発電機-外部電力系統の安定性解析に留まっている。次年度,この解析結果から定格安定運転を確認した後,出力調整運転時の発電機の安定性(時間応答性)の解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
現在進めている外部電力系統に接続した低温駆動希ガスMHD機の定格運転時の安定性解析を終えた後,発電機の出力調整能力(応答速度・調整幅)の把握に移行する。その解析結果から,低温駆動希ガスMHD発電機の出力調整能力(応答速度)の評価と改善方策を検討する。
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