研究課題/領域番号 |
20K05410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
笹尾 英嗣 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, リーダー (10421687)
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研究分担者 |
湯口 貴史 山形大学, 理学部, 教授 (00516859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 花崗岩 / 割れ目 / 地層処分 |
研究開始時の研究の概要 |
花崗岩はわが国に広く分布することから,高レベル放射性廃棄物地層処分の有力な岩石種の一つである。花崗岩では地下水や物質は割れ目を移動するため,高レベル放射性廃棄物の地層処分の観点では割れ目分布の評価が必要である。申請者らによるこれまでの研究によって,現在の割れ目分布は,花崗岩を形成したマグマの不均一性とマグマの冷却過程の違いによって形成された可能性が高い。そこで,花崗岩を形成したマグマの冷却・固化の過程を記録している情報を取得し,マグマの不均一性・冷却過程と割れ目分布の関係を解明して,わが国の花崗岩体に適用可能な割れ目の分布を評価する手法を提示する。
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研究成果の概要 |
花崗岩における高レベル放射性廃棄物の地層処分においては,割れ目は処分施設から漏出した放射性物質が人間環境に運ばれる経路になることから,割れ目の多寡やその分布を知ることが重要である。先行研究から,花崗岩の岩相ごとに冷却・固化のプロセスを解明することにより割れ目形成のメカニズムを明らかにできると考えられたため,本研究では,石英の結晶化温度とストロンチウム同位体比に基づいてマグマの不均一性を明らかにした。また,花崗岩中の黒雲母の変質の程度および空隙の面積と割れ目の密度を比較し,割れ目が形成される過程を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義として,花崗岩に発達する割れ目の多寡がどのように形成されたかを明らかにした点が挙げられる。わが国では高レベル放射性廃棄物の地層処分は処分場選定の初期段階にとどまっており,本研究成果は処分場選定の学術的な基盤となることに加え,国民の理解醸成にも活用されると考えられる。また,割れ目の多寡を評価できることで,例えばトンネルへの湧水量の予測を地質学的見地から行うことが可能になると期待できる。これらの点から,地下空間利用の観点で社会資本の整備にも貢献する成果である。
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