研究課題/領域番号 |
20K05417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 聡 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (20456180)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 分子自己集合 / 化学反応ネットワーク / 反応速度論 / 化学マスター方程式 / 分子自己集合過程 / 化学反応速度論 |
研究開始時の研究の概要 |
多数の素反応の複雑な連鎖の末に最終生成物が得られる分子自己集合過程を,化学反応速度と反応ネットワークに着目して解析する.分光学的手法によってモニターされるよりもずっと短い時間スケールを持つ,自己集合反応の詳細を,申請者らが開発した数値手法により明らかにする.分子の自己集合過程において,短寿命の中間体が目まぐるしく生成し,次の反応を導く過程の解明や,実験的に観察することが困難な中間体の同定を行い,反応の予測や制御に関する指針を確立する.さらに,化学反応ネットワークを起点として,個別の反応にとらわれない,自己集合過程の根底にある共通の原則を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究課題では、研究代表者がその開発に参画した自己集合過程の数値解析手法NASAP(numerical analysis of self-assembly process)に立脚して、解析手法の洗練化を行い、新たにM6L3プリズム型錯体とM6L4正方ピラミッド型錯体を含むいくつかの自己集合過程を数値シミュレーションによって解析し、主要経路、律速段階、速度論トラップなどの反応詳細を明らかにした。また、自己集合反応のように可逆な素反応からなる化学反応ネットワークにおいて準不可逆性が生じ、その準不可逆性が目的生成物や速度論トラップに至る反応経路選択の理解における重要な概念であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構成要素が自発的に特定の構造を構築する分子自己集合の途上で、系がどの経路を優先的に選んで化学反応が進行するのか、実験だけでは明らかにできない詳細を得るために、数値シミュレーションを用いた解析が有用であることを証明した。また、可逆な反応ネットワーク上の自己集合反応ではどのようにして、或いはなぜ目的生成物や速度論トラップに至るのかという、これまで知見や議論が少なく曖昧に捉えられていた問題に対して、可逆性からの準不可逆性の発現の過程を明らかにし、準不可逆性が反応経路選択における重要な概念であることを明らかにしたことは、広く自己集合を支配する根本原理を突き止めるための一歩であると考えられる。
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