研究課題/領域番号 |
20K05432
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高口 博志 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (40311188)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 化学反応ダイナミクス / イオンガイド反応実験 / ヒドリド移動 / 衝突エネルギー依存性 / 量子状態依存性 / 反応ダイナミクス / 状態選別イオンビーム / パルス放電法 / ヒドリド移動反応 / 緩衝ガス冷却 / 状態選別イオン分子 / 低温化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、反応系全体が周囲の冷媒によって冷やされた条件で、反応分子の特定の振動モードだけを励起して反応性の変化を測定する手法を開発する。これにより、遷移状態に至るまでの化学結合が形成される過程と、遷移状態通過後にエネルギーを放出しながら生成分子が安定化される過程を実験的に分離する。孤立反応対のポテンシャルエネルギー曲面上の運動としては記述されない熱浴が、化学反応に果たす役割を解明する。
|
研究成果の概要 |
反応速度定数は反応性を記述する指標であり、その温度依存性から反応機構が考察されてきた。反応温度は並進や振動を含むすべての分子自由度に一様に与えられるが、一般に反応の起きやすさへの寄与は反応系の運動自由度ごとに異なる。イオン・分子反応は多くの速度論的研究が行われ、その反応速度定数は電荷・誘起双極子相互作用を駆動力とするモデルによってよく記述されるが、分子振動・回転といった量子状態ごとの反応性から、反応機構を微視的に考察する研究はごく限られてきた。本研究課題では、低温条件で分子内部自由度を局所的に励起する実験手法を確立することで、イオン・分子反応の分子内自由度の役割を実験的に明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で取り扱ったイオン・分子反応は反応性が高く、多様な反応場において有用な物質合成に使われる。その反応性の高さについては単純なモデルが確立され、実際の反応性予測に適用されている。本研究では、そのメカニズム、すなわち、化学結合がどのように形成・開裂していくのかの解明を目的に、レーザー分光法によって分子イオンの特定の振動・回転にエネルギーを与え、同時に反応相手と衝突させるエネルギーを制御する反応実験法を確立した。反応分子系の運動を分離した実験結果からは、高いエネルギーを持つほど反応性が高くなると従来から考えられている挙動とは異なる、新奇なイオン・分子反応の性質を明らかにした。
|