研究課題/領域番号 |
20K05434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 正 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30251606)
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研究分担者 |
柏原 航 青山学院大学, 理工学部, 助教 (30836557)
磯崎 輔 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (00520397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | チオ置換核酸塩基 / 光線力学療法 / 増感剤 / 二光子吸収 / 近赤外 / チオ核酸塩基 / 励起状態 / 一重項酸素 / 項間交差 / 細胞毒性 / 光検出光音響法 |
研究開始時の研究の概要 |
チオ核酸塩基は、通常核酸塩基が吸収しない近紫外に吸収帯をもち、また生体親和性が高く容易に細胞内に取り込ませることができる特徴をもつ。チオ核酸塩基を取り込んだ細胞に弱い紫外光を照射することによりアポトーシスを誘起できることが報告され、チオ核酸塩基の光線力学療法への応用が期待されている。本研究では、新規に合成したチオ核酸塩基誘導体を用いて、光照射による反応機構を明らかにするとともに、励起状態と反応性の解明を目的とする。さらに、当研究室で開発した光検出光音響法を用いてチオ核酸塩基誘導体の非共鳴二光子レーザー励起について調べ、組織浸透性に優れる長波長の光、特に近赤外光による励起の可能性を探る。
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研究実績の概要 |
通常核酸塩基のカルボニル基酸素を硫黄原子に置換したチオ置換核酸塩基は、通常核酸塩基に類似した構造をもち、生体親和性が高く容易に細胞に取り込まれることが知られている。しかし、通常核酸塩基にはない特異な性質をもつことが近年明らかになってきた。チオ核酸塩基を取り込んだ細胞に近紫外光を照射すると、アポトーシスを誘導できることが報告され、新しいタイプの増感剤として光線力学療法への応用が期待されている。本研究では、様々な置換基を導入したチオ核酸塩基誘導体を新規に合成し、その励起状態の特性と反応性について解明することを目的としている。また、非共鳴二光子吸収によって、細胞透過性の高い近赤外光による光線力学療法の可能性を検討する。 抗がん剤として用いられてきた5-fluorouracilのカルボニル基をチオカルボニル基に置換した5-fluoro-4-thiouridine、π共役系を拡張するためウリジンにフェニルエチニル基を導入した5-phenylethynyl-4-thio-2'-deoxyuridine、さらにフェニル基にフッ素原子を導入した5-(4-fluorophenylethynyl)-4-thio-2'-deoxyuridineの合成を行い、その光化学特性を調べ報告してきた。また、二光子吸収スペクトルのシミュレーションも行い、これらのチオ置換核酸塩基の二光子吸収の可能性についても検討した。特に近赤外の波長領域に拡張した二光子吸収スペクトル測定装置の開発をあわせて行った。今後、さらなるπ共役の拡張と二光子吸収断面積の関係を調べるとともに、二光子吸収スペクトルの実測を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成したチオ置換核酸塩基に励起状態について調べたところ、励起三重項状態、一重項酸素生成収率が高いことはすでに報告した。速度論的考察から、癌細胞のような低酸素環境下においても効果的な増感剤として作用することが示唆された。また、ガン細胞に投与した細胞実験から、光照射による細胞死を誘発することも明らかとなった。研究はおおむね順調に進んでいるが、詳細な議論を行うために純度を高める必要があることが分かった。今後、精製を行い再度詳細な検討を行う予定である。 光音響法を利用した二光子吸収スペクトル測定を近赤外領域まで拡張した装置が組みあがり、その性能を検証した。今後本格的に稼働させることができるところまで進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
新たに組み上げた近赤外領域の二光子吸収測定装置を用いて、新規合成したチオ核酸塩基の二光子吸収スペクトルの測定を行う予定である。 さらにπ共役を拡張した置換基を導入したチオ核酸塩基について分子設計及び合成の検討を行い、その光化学特性についても調べる。また、二光子吸収スペクトルのシミュレーションも併せて行う予定である。
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