研究課題/領域番号 |
20K05438
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
若林 知成 近畿大学, 理工学部, 教授 (30273428)
|
研究分担者 |
畑中 美穂 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80616011)
兒玉 健 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20285092)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 赤外発光スペクトル / 振動スペクトル / 温度依存性 / 分子対称性 / ボルツマン分布 / 自然放出 / 発光スペクトル / Ih対称性 / フラーレン / ナノカーボン / 赤外発光 / 分子振動 / 振動励起シミュレーション / 宇宙存在度 / 振動分光 / ポリイン / C60 / 赤外 / 誘導放出 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙空間のフラーレンC60は、惑星状星雲をはじめ赤色巨星周縁部や拡散星雲における化学組成と光化学を解明する際に見落とされていた点であり、予想される存在量の大きさからこれまでの常識を覆す発見につながる貴重な手がかりとなり得る。サッカーボール型の分子構造が900℃を超える高温にも耐え得るとされる巨大分子C60の化学的特性を考慮して赤外発光メカニズムを解明し、宇宙存在度の推定に決定的役割を果たす。
|
研究成果の概要 |
フラーレンC60の宇宙存在度の算定に関連して、C60薄膜の赤外発光スペクトル測定を実施するとともに、発光強度の温度依存性に関する理論的解析を行った。室温から90℃の範囲におけるC60分子の4本の赤外発光バンド強度の温度依存性について実験と理論のよい一致を示すことができた。実験室における分子の赤外発光スペクトル測定という新たな研究に途を拓くと同時に、星間物質関連分子の定量的研究に寄与することが期待される。この研究成果は米国物理学会のPhys. Rev. B 109, 035409 (2024)に掲載された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2010年に惑星状星雲の赤外発光スペクトルにおいて存在が明らかになったフラーレンC60だが、存在量については算定の根拠となる基礎的なデータが確立されていなかった。本研究では、実験室データを定量的に解析するための理論的枠組みを明確に示すことに成功した。これにより、なぜC60分子の赤外発光バンド強度が温度によってどのように変化するかをその理由とともに示すことができた。本研究が示す実験手法と解析方法はC60のみならず他の分子にも適用可能であることから、今後の発展が期待される。
|