研究課題/領域番号 |
20K05446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
野崎 浩一 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (20212128)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 銅錯体 / 熱活性遅延蛍光 / ヤーンテラー構造変形 / 時間分解蛍光寿命測定 / フェムト秒アップコンバージョン / 固体膜 / MLCT / XLCT / ハロゲン架橋銅錯体 / 配位高分子 / 蛍光アップコンバージョン測定 / 蛍光アップコンバージョン / ハロゲン架橋銅二核錯体 / エキシマー形成ダイナミクス / 固体薄膜 / 励起緩和ダイナミクス / 銅(I)錯体 / 結晶薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
銅(I)錯体は固体中で高い量子収率の熱活性遅延蛍光を示すものが多く、近年有機EL素子の発光材料として研究が盛んに行われている。また銅(I)錯体は励起状態で配位構造の大きな変化が起きることから、超高速分光や理論計算などの研究対象として注目されている。一方でこのような大きな構造変化は発光スペクトルのブロードニングや長波長化など、発光特性への悪影響をもたらす。本研究では、薄膜結晶中での銅(I)錯体の光励起緩和ダイナミクスについてフェムト~ピコ秒時間分解分光法を用いて解明するとともに、パッキングなどの分子環境が構造変形ダイナミクス及ぼす影響を明らかにすることで固体中での発光特性の制御方法を検討する。
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研究成果の概要 |
銅(I)錯体など強発光性の分子は光物性が固体状態に依存するものが多いことから、固体薄膜中での励起子拡散や構造変形などの超高速光励起ダイナミクスを観測するためのフェムト秒時間分解発光測定装置を開発し、銅(I)錯体の固相中での光励起緩和ダイナミクスを研究した。 MLCT/XLCT状態から熱活性遅延蛍光を示すハロゲン架橋銅(I)錯体は、単結晶中では励起状態でほとんど構造変形しないが、蒸着膜中では、光励起で生成したXLCTが項間交差したあと、数ナノ秒で構造変化を伴ってMLCTに緩和することが明らかになった。励起状態での構造変形によるスペクトルブロードニングが環境の剛性に依存することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、固体薄膜中でのフェムト秒時間分解発光測定を可能にする装置を開発し、発光素子に近い固相状態での励起状態のエネルギーの緩和過程やエキシマー形成などの過程を明らかにしたことは学術的に意義がある。また、熱活性遅延蛍光性のハロゲン架橋銅(I)錯体の発光色が光励起後動的に変化することを明らかにしたことは、固相の剛性によって発光素子の発光物性を制御できる可能性を示唆するものである。
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