研究課題/領域番号 |
20K05449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 公立千歳科学技術大学 |
研究代表者 |
坂井 賢一 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (50342788)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 分子会合体 / 集団励起 / 蛍光 / サリチル酸メチル / 集団励起状態 / 自己組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
分子単独ではなく、分子が規則正しく配列、集合体を形成することで発揮される集団励起状態を起源とした光・電子機能は、光合成において高度に秩序化された光合成色素集合体が高効率な太陽光の吸収や反応中心へのエネルギー移動を達成している点を鑑みても大変魅力的である。本研究では、最近我々が見出した自己組織化能と優れた蛍光特性を有するπ-σ-π型色素を対象に分子開発を進め、集団励起状態実現へ向けた分子設計指針の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
有機色素が規則正しく配列して会合体を形成した際に、色素分子間に有効な電子的相互作用が働くならば、そのような会合体では色素単独の励起状態とは本質的に異なる複数の分子間に非局在化した集団励起状態が実現する。本研究では、サリチル酸メチル2分子をアルコキシ鎖で連結した双頭型分子(π-σ-π型分子)が、高濃度条件下において安定な会合体を形成し、集団励起状態に起因したユニークな吸収・蛍光特性を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複数の分子が集積して形成される超分子複合体の研究は、単一の分子では見られないユニークな光学特性を示すことで知られるJ会合体を対象にしたものが多く、会合体形成に有利な大きなπ電子系や大きな双極子モーメントをもつ分子に焦点が当てられてきた。本研究では、分子軌道間の位相分布のマッチングや、会合体を安定化させるためのアンカーとして働く置換基修飾、また溶媒に対する高い溶解性などが達成されれば、例えサリチル酸メチルのような小さなπ電子系分子においても、複数の分子間に広がる集団励起状態を実現可能であることを初めて示した。本成果をまとめた論文は高い評価を受け、雑誌のカバーアートにも採用された。
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