研究課題/領域番号 |
20K05450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
山本 文子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50398898)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高圧合成 / 高エントロピー / パイライト / 金属カルコゲナイド / 電気伝導 / 磁性 / 結晶構造 / 高エントロピー化合物 / パイライト型硫化物 / 輸送特性 / 磁気特性 / パイライト型 / 硫化物 / パイライト型構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「高エントロピーカルコゲナイドを高圧法により新たに合成し、その機能を開拓すること」を目指している。具体的には、5種以上の3d4d遷移金属を含むパイライト型金属二硫化物及び金属二セレン化物を合成し、その結晶構造を解析する。また、伝導特性、磁気特性および熱物性などを調べ、それより、新たな超伝導体、熱電材料、半導体、磁性体などの開発を行う。本研究では、高圧合成法を用いることで硫黄やセレンの揮発を抑えて元素の流動性や反応性が高め、急冷法によりにより新たな高エントロピー化合物を得ることが期待出来る。
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研究成果の概要 |
合金で顕著な機能特性の向上が報告されている高エントロピー効果(複数元素の等量固溶体による想定内および想定外の特性の変化)に着想を得て、パイライト型構造を持つ金属硫化物および金属セレン化物において、その高エントロピー効果を検証した。硫黄やセレンの揮発を抑え、かつ高温からの急冷が可能な高圧合成法により等量の3d4d遷移金属が4種以上で含まれる金属硫化物および金属セレン化物を合成した。イオンサイズの著しい大小がない場合は、均一な固溶体が形成されることが明らかになった。合わせて、その結晶構造、電気伝導性、磁性などを調べ、母物質と比較検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的成果は、合金から始まった高エントロピー材料が基本的な組成MX2と代表的な結晶構造(パイライト型構造)をもつ硫化物やセレン化物に広がったことである。合成にあたっては、閉鎖系セルを用いて高揮発性の元素の蒸散を抑える高圧法が有効に機能した。一方で、社会的な意義としては、新しい元素の組み合わせの硫化物やセレン化物では、複数の酸化還元電位を同時に有することから、将来的には酸化および還元反応の触媒として機能することが期待される。
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