研究課題/領域番号 |
20K05459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
古川 俊輔 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (70625590)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | σ非局在分子 / 有機半導体 / 有機磁性体 / ハロアレーン / σ非局在系分子 / 有機ラジカル / 電荷輸送正分子 / ヨウ素 / σ非局在系 / 開殻分子 / 多次元的分子間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの化学の常識は,有機化合物に電気を流す特性や磁気特性を付与する場合,「π共役化合物」という分子群が主たる研究対象とされてきた.有機超電導や有機強磁性といった夢のある物性を追い求める研究が数十年展開されてきたものの,新たなブレイクスルーが求められている.本研究では,物性発現の根幹部分となる分子そのものを「σ非局在系分子」と名付けた新たな分子群に置き換える戦略を立て,その合成および評価を行う.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「σ非局在系分子」を開殻構造の新たな担い手とし、その分子結晶中の分子間相互作用を明らかにし、これらの磁気特性および導電性を評価することである。本研究の目的達成のチェックポイントとして大きく分けて3つ挙げる。1つ目は、σ非局在系分子の合成手法の確立であり、これは前年度までの達成項目として達成している。具体的には、アリールハライド(Ar-X)とカルコゲナート(R-Ch-)との位置選択的なSNAr反応を開発することでいくつかの新規化合物を得ることに成功した。これらの分子の特徴を理論化学計算より考察し、σ対称性に非局在化するという従来のπ対称性の非局在軌道とは異なる新たな電子非局在系であることを明らかにしている。2つ目のチェックポイントは、得られた分子群に酸化反応を施し開殻種を得ることである。これに関し、「電解酸化法」と「化学酸化法」の2つの方法で検討を行った。電解酸化法は、目的の開殻種の調整をすると同時に、分子配列を決定するのに必要な単結晶を同時に得られる点が手法としての強みであるが、目的の開殻種を単結晶として得るには至らなかった。そこで化学酸化法による検討を行った。中性分子の1電子酸化反応では、反応溶液中で開殻種が室温で安定な化学種として発生することが明らかになった。しかしながら、これを単離し単結晶として得ることは困難であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の達成目標は、標的としている化学種(σ非局在電子系をもつ開殻種)の単結晶構造解析により、その分子の原子配置を明らかにし、種々の物性測定でその性質を明らかにすることであった。しかしながら、前述の開殻種を得る検討では、いずれの方法でも目的の化学種の発生は確認することができるものの、単離できた化学種は限られた。また、弊学所有の単結晶構造解析装置が不調を来し、そのメンテナンスに長期間を要したため、各種化合物の構造決定に遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策は下記の通りである。 1) 目的分子の電子準位を再設計し合成する。目的の開殻種が得られにくい主たる理由として、反応前駆体のHOMOの電子準位が低い事が挙げられる。これを解決する手法として、分子の置換基として電子準位が上昇する置換基(例えばスルファニル基の数を増やすなど)を導入し、開殻種の合成を目指す。 2) 単結晶X線構造解析のために外部の協力者を募る。弊学所有の装置の復旧には時間がかかるため、外部研究者の協力を得ながら着実に研究を進展させる。
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