研究課題/領域番号 |
20K05461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
徳永 雄次 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (80250801)
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研究分担者 |
小林 長夫 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (60124575)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 分子不斉 / 分子認識 / 動的不斉 / クラウンエーテル / クリプタンド / ロタキサン |
研究開始時の研究の概要 |
直鎖状構造を持つ分子は交差することで、不斉が発現するが、その不斉を維持したまま構造決定することや得られた不斉源を利用することは困難である。本研究では、交差構造を持つ化合物の新規合成を確立し、得られた交差構造を基軸に交差構造の高次化、並びに高次化による不斉特性の増幅について検証する。
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研究成果の概要 |
交差構造を持つ分子は分子の運動性に制限がかかるため、分子不斉が誘起され得る。そこで本研究では、交差構造を持つC2対称クラウンエーテル誘導体合成について検討し、新たな2つの方法を開拓した。第1の方法は、対称クラウンエーテルの架橋による方法であり、本法では、C2対称構造を持ちながら異なる架橋を持つ類縁体の合成が可能であった。第2の方法は、他方に比べ短工程で目的物を合成できる特徴を持つ。得られたクラウンエーテル誘導体では、架橋鎖が短い場合に分子不斉が誘起されることを確認し、その絶対構造についても決定した。さらに、クラウンエーテル誘導体をロタキサンへと導き、交差構造の高次化を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
交差不斉を持つ化合物の研究は、限られた化合物の限られた機能に限定されている。本研究では、通常の有機合成手法によって交差構造を持つ新規クラウンエーテル誘導体合成の方法論を開拓した。新しいタイプの交差化合物の合成法を提供することで、本分野の研究の発展に寄与するものと思われる。また、合成した化合物はクラウンエーテル部を持つため、クラウンエーテルの多才な機能に、「不斉場」を提供することを可能とし、不斉識別、不斉反応のための実質的な利用価値を提供する。
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