研究課題/領域番号 |
20K05464
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小西 彬仁 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (10756480)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 開殻性 / 反芳香族性 / 非交互炭化水素 / クムレン / キャリア輸送能 / π共役系 / ルイス酸 |
研究開始時の研究の概要 |
開殻性分子は、基礎/応用その両面から盛んに研究が行われているが、Clar’s sextetの経験則に基づいた分子設計に依るところが大きく、必然的に分子サイズが大きくなり、安定性や取り扱いに対する課題が顕在化している。この現状に対し、本課題では出来るだけ小さい共役系での開殻性発現およびその理解に挑戦する。基本構造として、4nπ電子系の積極的な活用を行う。以下の3点について研究を実施する。 (1) ヘプタレン骨格を基盤とした金属配位による開殻性/反芳香族性の制御 (2) ケクレ型三重項分子の創出を通じた反芳香族性と開殻性の相関解明 (3) ルイス酸を用いた4nπ電子系骨格の迅速合成法の提案
|
研究成果の概要 |
開殻性分子は、盛んに研究がおこなわれている。Clar's sextet則に基づく設計指針が広く知られるが、分子系が大きくなり、安定性や取り扱いに対する課題が顕在化している。この現状に対し、本申請課題では4nπ電子系を活用した最小サイズの分子系での開殻性発現およびその理解に取り組んだ。 (1)開殻性と反芳香族性を備えた分子の機能性材料としての展開、(2)ビスペリアズレンの合成と性状評価、(3)合成前駆体としての共役クムレン骨格の高集積4nπ共役系への変換、をそれぞれ達成した。本課題の遂行を通じ、4nπ電子系の効率構築法を確立し、4nπ電子系における開殻性の発現機構を実験的に解明することが出来た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内外で反芳香族性や開殻性に着目した実験的・理論的研究は幅広く行われている。しかし、各々の性質解明、応用展開に特化したものに限られている。両者の特性を活かし、4nπ骨格に着目した新たな開殻性発現の指針を得たことが本研究の大切な点であり、これまでの報告例とは大きく異なる。さらに、ホール輸送能の評価を通じ、本申請における特殊な電子状態をもつ分子系が材料応用展開の高い可能性を秘めていることをあきらかにした。本申請で確立した4nπ電子系の効率構築法とあわせ、これらの分子系が新たな材料としての活用できる可能性を強く見出すことができた。
|