研究課題/領域番号 |
20K05472
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
山田 道夫 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00583098)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フラーレン / 分子変換 / ドミノ反応 / カスケード反応 / 開口フラーレン / リモート化学修飾 / シクロブテン環 / ホモ共役 / 遷移金属触媒 / アルキン / ナノカーボン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、π-ルイス酸性金属触媒によるアルキンの求電子的活性化を起点とした汎用性・拡張性の高いドミノ型の開口反応開拓を足がかりに、フラーレンの多重開口反応による湾曲ナノカーボン分子のトップダウン合成を行い、特異なπ電子共役系構造を有するナノカーボンの科学を探求する。出発構造として空フラーレンC60だけでなく、C70や金属内包フラーレンも活用することにより、ボトムアップ法では合成困難な湾曲ナノカーボン分子群の構造-物性相関を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではフラーレン構造の高度な分子変換を達成するために, π-ルイス酸性触媒を用いたアルキンの活性化を起点として進行するドミノ型の反応開発を遂行した。その結果, 第三級のプロパルギルリン酸エステル誘導体を用いることで八員環開口フラーレンを一段階で合成できることを実証するとともに, 第二級の誘導体を用いた場合に共役系の連結したシクロブテノフラーレンを一段階で合成できることを見出し, その反応機構を実験および理論の両面から明らかにした。テザーで連結したプロパルギルリン酸エステル誘導体を用いたフラーレンへの多重開口/修飾反応では, 副反応であるエンイン構造体の生成が優先する結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノサイズのサッカーボール状構造を有する分子状炭素であるフラーレンに対して, その分子構造を大きく変化させることのできる一段階反応の開発に成功した。フラーレンの電子的・光学的性質は, その分子構造に起因していることから, その分子構造が変化することで, これまでにない物性の発現が期待できる。本研究で開発した反応を用いることで, フラーレンのサッカーボール構造に穴を開けることや, フラーレンと導電性分子を連結させたりすることができる。これにより, フラーレンからなる新たなガス貯蔵材料, 半導体材料や光捕集材料などへの応用展開が期待できる。
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