研究課題/領域番号 |
20K05473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
岡本 昭子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30512777)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 有機分子触媒 / 水素引き抜き-放出 / 酸化還元能 / 非共平面的芳香環集積分子 / peri-アロイルナフタレン / 高歪ピナコール / 分子立体構造解析 / ピナコール / 水素引き抜き-放出 / 非共平面性 / 高歪み / 空間構造解析 / 水素引き抜きー放出 / 糖 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では多波長の光照射下で未利用の生物産出有機物質(糖類等)から水素を引き抜き放出する有機分子触媒を創出する。従来の酸化還元型有機分子触媒は酵素や色素の酸化還元部位を組み込んだものが多く,基質の適用範囲は限られていた。本研究では,酸化還元能を変化させるための新たなパラダイムとして,結合形成・解裂点周辺の芳香環の空間配置が「非共平面的で, 強固に固定されていない」有機分子の利用を追求する。具体的には非共平面的で可動なアロイル基を持つジケトンと高歪ジオールを対象に,反応挙動の解析と分子立体構造の整理を行い,「酸化還元能が調節可能な」全く新しい概念の有機分子触媒のカテゴリーの創造を目指す。
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研究成果の概要 |
分子立体構造の変化により酸化還元能を調節する新しい有機分子触媒を創製すべく,ナフタレンジケトン化合物とジオール化合物の空間構造の精確な把握を行い,それに基づき選び出したジケトン-ジオール対の還元-酸化反応挙動を解析した。まず種々のジケトン化合物を合成し,結晶中の多様なコンフォメーションから分子修飾とカルボニル近傍の立体環境の変化との相関を導いた。溶液中ではジオール化合物が分子内水素結合を集積した配座とって安定化することを明らかにした。次に反応挙動解析を行い,ジケトン化合物の近接して可動なカルボニル配置が還元され易さ,ジオールの歪みの増大が酸化され易さにリンクしていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遷移金属と異なり有機分子は酸化数を多様に変化させられない。その課題を解決すべく既存の酸化還元型有機分子触媒は酵素や色素の酸化還元部位を組み込んでいるが基質の適用範囲は限られる。本研究では酸化還元能を変化させるための新たなパラダイムとして,結合形成・解裂点周辺の芳香環の空間配置が「非共平面的で強固に固定されていない」有機分子の利用を追求した。非共平面的なジケトン化合物の空間構造の精密な把握と反応挙動の整理に基づき,分子立体構造の変化が還元-酸化の受け易さと密接にリンクしていることを明らかにした。本成果は「酸化還元能を調節可能」な全く新しい概念の有機分子触媒のカテゴリーの創造に寄与するものである。
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