研究課題/領域番号 |
20K05475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西内 智彦 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (10706774)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トリチルラジカル / 動的挙動 / 構造変化 / 外部刺激応答 / トリチルカチオン / 固体発光 / 三重項 / 室温りん光 / 炭化水素ラジカル / 分子間相互作用 / ヘリカル構造 |
研究開始時の研究の概要 |
分子内に一つ不対電子を有する「ラジカル」種と呼ばれる化合物は、分子間で不対電子同士が相互作用してσ結合もしくはπ結合を形成するといった特徴を有する。 本研究では、代表的なラジカル種として知られるトリチルラジカル骨格に注目し、トリチルラジカルの有する芳香環を拡張させることで、①分子内における不対電子の局在化・非局在化に基づく構造変化を利用した電子・磁性スイッチングシステムの構築、②トリチルラジカルのプロペラ構造を利用したヘリカルなラジカル一次元集積体の構築を行い、閉殻系化合物よりも強い分子間相互作用を有するπラジカルを利用した機能開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では代表的なπラジカルの一つであるトリチルラジカルが有するプロペラ構造およびプロペラ構造の反転や二量化形成といった動的挙動に注目して、分子内のスピン密度分布の局在化・非局在化を利用した様々な物性を発現しうるシステムの構築を当初の目的とした。一方で本研究を通して、トリチル骨格に嵩高い芳香環を置換した各種化合物でこれまでに見出されていなかった分子骨格の様々な動的挙動と熱、圧力や機械的刺激に応じて光学特性や磁気特性を変化させる外部刺激応答性を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嵩高い芳香環を密接させてある基本骨格に複数導入することは、有機合成上困難を伴うことが多く、そのような化合物群の合成例は限られていた。一方で本研究ではこれまで研究者自身が培ってきた芳香環密集型化合物の合成技術を駆使し、様々な外部刺激に容易に応答するトリチル骨格を基盤に持つ多くの新奇化合物の合成に成功した。特に擦るといった簡単な機械的刺激によって、閉殻種から三重項の開殻種へと変化する化合物は報告例がほとんどなく、スピン特性を容易に変化させることのできる有機量子材料など、今後発展が大いに見込まれる研究分野への活用が期待できる。
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